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十六夜月の秘密


「そろそろ寝ようか。...じゃあおやすみ、双葉」

部屋の隅にある、鳥かご。王子は、その中にいる綺麗な緑色の鳥にあいさつをする。

夜は1人になりたいことが多く最近は従者を下がらせている。

王子は部屋の明かりを全て消し、寝ようかとベッドへ向かったが、足を窓辺へと進めた。

―――高い塔から見える空は綺麗で、手を伸ばせば届きそうな気がした。

彼にとって、毎日の生活は味気なく、生きていることさえ億劫(おっくう)になっていた。

彼が窓に身を乗り出した時、黒い何かが部屋の中へ、音もなく入ってきた。

王子は驚きすぎて声も出せなかった。
彼が動かない間に、影は素早く口を塞ぎ、床に押し倒した。

「お前が『王子サマ』か?」

声が出せないため、頷くかたちになる。

「そうか」

王子の喉元に、ひたり、と冷たくかたいものが宛てがわれた。

「死んでもらうぞ」
そう低く、影は言った。


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あきゅろす。
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