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十六夜月の秘密


ある王国の城の一室で、1人の男が空を見上げ、思いにふけっていた。

見た目は16・17歳ほど。


彼はこの国の王子である。


「はぁ...」
王子は今日、何度目かのため息をついていた。

彼には悩みがある。
それは『結婚』である。

したい、のではなく、逆にしたくないのだ。

身分上、仕方がないことだとは彼自身分かってはいたが、今は自由に過ごすことを望んでいる。


彼は透き通るようなブロンドの髪に、エメラルド色の瞳をしている。
かっこいい、と評判の良い彼に結婚の話が絶えないのも、不思議なことではないのだ。

「毎日毎日、結婚の話ばっか。本当に疲れる.....」

彼の浮かべる表情は、言動と同じほど、元気がない。


最低でも月に1度は見合いをしている。数が多い時には2週間に1度。

好意を寄せてくれるのは嬉しいが、見合い話は今のところ全て断ることにしている。



「王子なんてつまらない」

そう呟いて、彼はまた、今日何度目かのため息を吐いた。



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あきゅろす。
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