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十六夜月の秘密


いや、正確には窓から外へと飛び出したのだ。

「ここっ...、」
急いで窓に駆け寄り、下をのぞく。

高さはかなりある。普通に飛び降りては、死は免れないだろう。

しかしクロは、綺麗に着地すると、そのまま闇の中へ消えてしまった。

走り出せた、ということは怪我はなかったようだ。

「良かった...」
そう呟いて、はた、と気づく。

なぜ命を狙われている、こちらが安心するのか。

普通ならば、ここで待てと言われたからといって、待つ必要はない。

「でも」
しかし、クロに対しては、なぜか恐怖心などは現れてこなかった。


―――だからだろう。


「明日が楽しみだ」
そう思うのであった。



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あきゅろす。
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