OGRE 2 人と一番近かった鬼たちは、彼らを止めようとした。 しかし、陰陽師たちが邪魔をし、近づくことができなかった。それに、陰陽師の術にかかったら、ただでは済まない。そのことを知っていたので、迂闊には近づけなかったのだ。 そうこうしている間に、族狩りは勢力を増していった。各族の住処には火が放たれ、抵抗した者たちは陰陽師に殺されていった。 それぞれの族がどうなったかは分からないが、鬼族の者たちはなんとか山へ逃げ込めた。数はたったの20。元はかなりの数がいたのだが...。 彼らは考えた。このまま鬼族を終わらせてはいけない、と。いつの日か、何百年、何千年先になろうと、陰陽師に復讐すると誓った。 陰陽師を抹殺するために。 そのために彼らは、持っているほとんどの力を使い、人の姿へと変化(へんげ)した。力もほとんど無く、魔力も漏れることもないので、陰陽師に気づかれる心配はなくなった。 あとは人との相(あい)の子を産んでいき、血を絶やさないようにするだけ。 が、これだけだと段々と人の血が濃くなっていってしまう。 しかし、ここが人の血とは違うところであった。いつか、鬼の子孫同士が出会って、子供が産まれたならば、その子は完全な『鬼』として産まれてくる。これは鬼族に限ったことではない。陰陽師に復讐を誓った種族たちはこれを実行したであろう。 そして未来に運命を託して、彼らは死んでいった。 陰陽師に知られることなく、密かに、密かに、彼らの血は絶えることなく現代へと続いた...。 [*前へ] [戻る] |