雨のち晴れ。
D夏
夏休み、霧人の家で、二人で勉強会をしていた。
私はカテキョウを雇ったものの、一向に成績は伸びず…。
苦手教科は苦手のままの夏休み。
午前中は学校の補習、午後は霧人の家での勉強会の毎日。
一日中勉強三昧なのである。
「千紗?大丈夫か?少し休む?」
霧人はいつも優しい言葉をかけてくれる。
「うん、休む」
「アイス食べよっか」
そう言うと、霧人は一階に降りていき、冷凍庫からアイスを持って戻ってきた。
ピタリと後ろから私の頬にアイスの袋をくっつける。
「うひゃあっ!冷たっ」
「食べよ」
背中合わせに座る霧人。
私はワザと霧人の背中に体重をかけ。
「千紗…何?何かあった?」
「んー…。あのね?」
「うん?」
「…好き」
なんとなく言ってみる。
「…千紗?」
背中越しに霧人の声。
言ってしまおうか…。
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