雨のち晴れ。
B
頑張る…とは言ったものの、何から手を着ければいいのかわからない…。
勉強大嫌い。
でも、月島先生に言われたとおり、今から死ぬ気で頑張らないと、霧人と同じ大学には行けない。
家に帰った私は、自分の部屋のベッドに倒れ込んだ。
ふと隣で物音が聞こえ、一つ上の兄、咲也(サクヤ)が帰宅していることを知った。
私は慌ただしく、兄の部屋に行った。
「咲也〜」
「千紗?何だよ、変な声出して。まさか千紗のプリン食べたのバレた?」
今、ちょっと聞き捨てならない言葉が聞こえたような…。
でも、今はそんなことより(プリンも大事だけど…)私の悩み事の方が大事だ。
「咲也、お願い。勉強教えて!」
パンっと手を合わせてお願いのポーズ。
兄は私と違って頭が良い。
4月から晴れて花の大学生だ。
「はぁ!?何を急に…。一応聞くけど、教科は?」
驚いたが一応聞いてくれた。
「…ぜ・ん・ぶ☆」
しばしの沈黙。
「アホかー!!」
兄のちゃぶ台返し(ちゃぶ台なんてないけど…)
やっぱり?無茶だった?
「そんなん教えられるか!」
「おーねーがーいー、お兄さまー」
それでも食い下がらない私。
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