[携帯モード] [URL送信]

雨のち晴れ。
A
私は松原千紗(マツバラチサ)。

つい先日高校3年になったばかり。

放課後に担任の月島先生に呼ばれたのは、先日進級早々にやったテストの事。

進学に関わるテストだったんだけど、結果は散々…。

すでに進学先、行きたい大学がある。

理由は簡単。

好きな人といたいから。

そんな安易な理由だ。


「千紗、終わった?」

「うん、待たせてごめんね」

待っていたのは私の好きな人、下里 霧人(シモサトキリト)。

同じく高校三年。

彼は私と違って成績が良いから、志望校にも余裕で行ける。

羨ましい。

「先生何だって?」

「ちょっと進路のこと…。私頑張るからね!」

「うん?」

わからないといった表情。

だって霧人には同じ大学を志望していることは言ってない。

きっと迷惑になる。

勉強教えてと言ったら、霧人の勉強の邪魔になるから。

俯いて考え込んでいたら、後頭部をポンポンとされた。

顔を上げると、霧人が優しく微笑んでいる。

「大丈夫か?先生に何か言われた?」

「霧人…。ううん、大丈夫。行こっか」

そう言うと、二人で肩を並べて歩き出した。


[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!