呪解。
4 声を持たない少年
ある雨の降る日、クラウドは森の中で倒れている少年を見つけた。
クラウドは少年を抱えて、仲間たちの元へ戻った。
その時クラウドは賞金稼ぎをしながら仲間たちと旅をしていた。
少年はカイトといった。
カイトは声を持たない子だった。
何かの大きなショックで声を失ったらしいが、記憶もなかった。
夜になるとカイトは眠れず、何かを思い出すのか、泣いていた。
子供をあやすように、クラウドはカイトを抱いて寝てあげる。
そうすると落ち着くのか、カイトはやっと寝付くのだ。
「まるで親子のようだな」
賞金稼ぎのリーダー、リュウがそう言った。
親子…。
クラウドが旅に出て十年くらいは経っただろうか。
彼が旅に出る時には、すでに最愛の人は身ごもっていた。
自分の子の顔も見ることもできない。
あの子は今、立派に成長しただろうか。
生まれているなら、この子と同じくらいになるか。
リュウの言葉が故郷を、最愛の人を思い出させた。
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