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「ブラック、すげーのなっ!俺、すげー感激しちゃった!」

小十郎とブラックの戦いが終わると、小十郎は綱元に医務室へと連れて行かれた。それにつられるように観衆だった兵士や女中たちも各々の持ち場へと戻っていったが、興奮冷めやらぬ様子だったので仕事ははかどらないであろうことは予想できた。

そして、その場に残っていたのは、ブラックにルカリオ、政宗、成実そしてゾロアと喜多だけだった。
小十郎のもとへと駆け寄ってきていた成実は、目をキラキラさせて、ブラックにどれだけ自分が興奮したのかを熱く語っている。

「頑張ってくれたのはリオですよ。リオ、お疲れ様。怪我大丈夫か?」
「ワウ」

ブラックの隣に戻ってきたルカリオに尋ねると、ルカリオは左腕にちらりと目を向け、コクンと頷いた。
ブラックがその手を取ってみると、確かにたいした怪我ではないようだった。

「流石だな。ブラック」
「政宗さん」

ブラックとルカリオ、そして成実が縁側へ行くと、待っていたと言うかのように政宗が声をかけた。
喜多から貰った饅頭をすべて平らげたゾロアは、政宗の隣でスヤスヤと眠っている。

「なぁ、ブラック。ブラックの魔獣の仲間ってどれくらい居るんだ?」
「え?あぁ。今つれているのは6匹ですよ。基本的に魔獣使いは6匹までを手持ちとして連れて歩くことができるんです」
「ってことは…俺が見たのはアークに、リオ。あとナイトとロップだから、あと2匹いるのか」
「まぁそうなりますね」

ブラックが頷くと成実は他の2匹も見たいと言い出した。それを受けてブラックは少し困った顔をする。

「何か問題でもあるのか?」
「いや、問題と言うか、けっこう大型なものもいるからなぁと思っただけなんですけどね。まぁいいか」

その顔を見て政宗が尋ねると、ブラックは首を左右に振ってから、腰につけているモンスターボールを4つ両手で持ち、そのうちの2つを宙に放つと、光と共にポケモンが姿を現した。
ギャロップとダイケンキは村で一度見ていたからか、政宗と成実はさほど驚かなかった。ただ、喜多だけが初めて目にするので、まぁ!と声を上げる。その様子を見てからブラックは別のモンスターボールを宙に放った。

そのモンスターボールから出てきたのは、白い着物に赤い帯を身につけた女のような容姿をしているユキメノコだった。ユキメノコは、ダイケンキとギャロップの間をひらひらと飛び回っている。

「この子は、ユキメノコという種族で名前をユキと言います」
「なんだか、雪女って感じだね」

ひらひらと舞い踊るように跳んでいるユキメノコを見て、成実がそんなことを言った。ブラックには分からなかったけれど、政宗や喜多は、あぁ。と同意を示している。

「そしてこの子が最後の1匹です」

前置きをしてから、ブラックは最後のモンスターボールを宙に放った。そこから姿を現したポケモンに3人は息を呑む。



それは、穢れない純白のドラゴンだった。




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