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CrossRoad
写真

 「ねぇ、これは?」


写真を指差しながら実菜が急かす。


「それは中学一年の時の体育祭だな。ハチマキ白いし。応援合戦やってるのを撮ったやつ。」


自分のベットに座ったまま目だけ写真を見ると実菜の質問に答える。


「中学から結構本格的な応援合戦するんだね。……この一緒に写ってるちっちゃい娘は?」


「それは妹だよ。この時はまだちっちゃくて可愛いかったのに……。」


妹も今は小学生。

段々マセて生意気になってきてる。


「えーっ、そうなんだ。まだちっちゃーい。可愛いーっ。髪明るいね、金髪みたい。」


そう言いながらアルバムのページをめくって次のターゲットを探している。



休みの日の部活は練習試合に行かない限り、午前か午後のどちらかになる。


今日は午前中で、終わった後実菜が家に遊びに来ていた。


そこまではよかったが、しまってあったアルバムを見付けてさっきから質問責め。


女の子ってのはこういうの好きなんだろうなぁ。


楽しそうに見ている実菜を見てたら、まだ幼い自分を見せるのはどうも恥ずかしかったが、いいかと思える。


「これ奈良って書いてある。修学旅行?夏に行ったんだね。」


アルバムの最後のページに挟んである少し大きめの集合写真を見て実菜が言った。

写ってる制服は夏服だった。


「ああ、大分は中二の夏に修学旅行だったんだ。こっちは中三の春だったから俺二回いったんだよね、修学旅行……。いいだろ?っていっても二回とも京都奈良大阪だったけど。」


「そっかぁ……。」


得意気に言ってはみたが実菜の反応が薄い。


写真に見入ったまま目を離さない。


チェッと軽い舌打ちをしてベットの横の壁に寄り掛かる。



「ねぇ千晴、彼女だった人……何処に写ってるの?」


不意に言われて少し驚いた。


そういうのって普通聞きたくないものじゃないのか?


返事をためらってるとまた実菜が聞いてくる。


「大分の時に彼女いたんでしょ?でも二人きりの写真なんてないし……。ねぇ、どの娘?」


「別にいいじゃん、前の彼女なんて……。」


横にあった枕目掛けてベットにズルズルと倒れかかりながら面倒臭そうに答えた。


今の彼女に前の彼女の話なんて気が進まない。


でも実菜は引く気がない。


「いいじゃない。気になるんだから教えてくれたって。ねぇ、この中にいるんでしょ。誰?」


横になった俺に詰め寄りながら写真をわざわざ抜いて女の子の写ってる辺りを指差しながら言う。


口調は柔らかいが、そこまで言われるとは思わなかった。

渋々答える。


「この娘だよ。」


写真に写ってる一人を指差して言った。


「それは男っ。もうっ、ふざけないでちゃんと答えてよ。」


俺の指の先を見て間髪入れずに突っ込むが、少し笑ってる。


「わりぃ、間違った。……この娘。」


今度はちゃんと由依を指差す。


「今度はホントね?」


そう言いながら俺の目をじっと見る。


ちょっと迫力があって、思わずうんうんと頷いた。


「そっかぁ、この娘かぁ……。」


呟きながらベットに寄り掛かってた身体を起こすとまじまじと見ている。


「可愛い娘だね。……なんて名前?」


写真から目を離さずに聞く。


「小楠……。」

なんとなく苗字だけ答えた。


「下は?」


「由依……。」


そこまで聞くと、ちらっとこっちを見てまた写真に目を戻す。


「ふーん……。由依ちゃん……か。由依って呼んでたんでしょ?」


「何でわかるんだ?」


少しびっくりしてつい口にしてしまう。


またちらっと見ると、

「さぁ?女の勘ってやつ?」


とウインクして見せた。


「でも可愛いよねー、由依ちゃん。千晴って結構面食いなの?」


写真を持ったままベットに両腕を乗せると顎をその上に重ねて覗き込んできた。


「それって……実菜も可愛いって事か?」


さっきからやられっぱなしのような気がして軽い反撃をしてみる。


が、それが悪かった。


「も、って言ったね?由依ちゃんは可愛いって認めるんだ。」


『は』の所を強調して詰め寄って来た。


「そんなんじゃないって……。実菜はすっげぇ可愛いよ。」


頭を起こして弁明する。

大体ホントに実菜は可愛いから嘘じゃない。


「なんか嘘っぽい。私、前の彼女より可愛くないんだ……。」


ふて腐れてちょっと怒ってる?

実菜はたまにこういう演技するからわかりずらいけど、これは多分本気だろう。


「実菜……こっちおいで。」


優しく声をかける。


「や……。行かない。」


やっぱり機嫌悪くなってる……。


「そんな事言わずにこっちおいでっ……て。」


言いながら実菜の手を引っ張ってベットに引っ張り込む。


少し実菜が踏ん張ったから勢いがついて二人とも倒れ込んでしまった。


俺の調度胸の上になった、実菜の頭を撫でながら言った。


「俺は……実菜が誰よりも可愛いって思ってるんだけど……駄目?」


それが耳に届いた実菜は顔をずらして俺の顔を覗き込む。


「ホントに?」


「俺が嘘言った事あったっけ?」


「ある……。」


この娘は……。


この状況でそんな突っ込み入れるか、と思ったがぐっと我慢して、


「ホントだって。……こんなに好きなんだから。」


恥ずかしいと思いながら口にして、ギュッと実菜の身体を抱きしめた。


それと同時に俺の肩に置いていた実菜の手にも力が入る。


数秒時間が止まったような気がした。


かと思ったら実菜が起き上がると優しく唇を重ねて来て言った。


「私も千晴が大好きっ。」


そう言って照れて笑う実菜がめちゃくちゃ可愛くて、つい顔が緩む。


髪を軽く撫でると頭を引き寄せてまた唇を重ねた。


さっきのキスとは違い、お互い激しく舌を絡めていく。


段々とろけていきそうな感覚に襲われる。


俺の口から実菜の柔らかい唇が離れたかと思うと、額にキスされた。


「えへへっ……。」


満面の笑顔を見せると上になっている実菜の身体が少しだけ下にずれる。


かと思うと首にキスしてゆっくり柔らかい舌がはっていく。


快感が身体中を少しずつ巡っていくのが分かる。


髪を撫でていた手を実菜の耳元にもっていくと、優しく触る。


それと同時にあいている反対の手を実菜の制服の中に忍ばせるとブラのホックを外す。


「もう外した……。エッチ……。」


言いながらも首を舐めるのをやめずそのまま耳を舐め始めた。


「どっちが……?」


聞き返しながら突っ込んだ手を前に持ってくると、優しく実菜の乳房を触っていく。


「あっ………んっ……。」


実菜の甘い吐息がもれる。


胸の先の硬くなりかけた部位を指でもて遊ぶと少し声が大きくなった。


「あんっ……。」


「外に聞こえるぞ。」

実菜の耳元に口を寄せると、声を落として囁いた。


「…だって……。…んっ……。」


耳の中にまではってきた舌の動きが時々止まっては熱い吐息と共に声がもれていく。


その声が聞こえるたび俺の興奮もつい高まってしまう。


頭をずらして今度は俺が実菜の耳を舐めていく。

一緒にスカートの中に手を入れると太腿の辺りをゆっくり添わせて動かしていく。


「…んっ………あっ…だめっ……。」


実菜のショーツに手が触れると声がまた大きくなった。


言葉とは裏腹に、もたれかかっていた身体を起こしたかと思うと唇に吸い付いてくる。


舌を激しく絡ませては、ショーツごしに実菜の一番感じ易い部位の指を動かすと声と共に吐息が激しさを増していく。


唇がゆっくり離れると、身体を起こして俺の制服のシャツのボタンを外していく。


「…あんっ……んっ……ボタン外すから……んっ…ちょっと待って………あっ……だめっ……。」


意地悪く指を少し激しく動かした後、ショーツをずらして実菜の濡れた部位に直接手を入れた。


「そんな顔してたら待てない……。」

恍惚に顔を緩める実菜の顔がいやらしい。


「あっ……あっ……そっ…んな………はんっ…待っ…て……んっ……。」


言いながらもボタンを外しきると、今度はベルトに手をかける。


「あんっ……千晴……んっ…ベルト…外れない……あっ……。」


指を動かす手をとめず実菜のブラウスのボタンを片手で外しきると、外しきれない実菜を手伝ってやる。


ベルトの締め付けが緩むと実菜の小さな手がチャックをおろしてズボンを剥ぎ取る。


そのままパンツまでおろすと現れた俺のものを実菜の口が優しく包み込んでいく。


「あっ……。」


今度は思わず俺の方が声が出てしまった。


「さっきのお返し……んっ…。」

俺の顔を下から覗き込んでそう言ったかと思うと舌と口を優しく、激しく動かして俺の快感をもろに刺激していく。


もれそうになる声を必死で堪えていると、たまに俺の顔を下から覗いては意地悪く舌を動かす。



「今日は私が上になるね……。」


ゆっくりものから口を離すと、笑顔でそう言ってチュッとキスをした――。






とろけるような快感を二人で感じ、乱れた服装のまま荒くなっておさまらない息が整うのを待つ。


「気持ちよかった……。」


実菜が呟いたのが聞こえた。


腕枕をしてあげた腕を少し上げて実菜の顔を近付けると、額に軽いキスをして言った。


「好きだよ……。」


実菜の顔が緩んだが、意地悪く笑うと、


「大好きじゃないんだ……?」

と言葉を繋いだ。


そうやって聞いてくるのがまた可愛い。


「うん……。言葉で表しきれない位めっちゃ好き。」


あえて『大好き』を使わないで自分の今の率直な気持ちを言葉にした。


実菜は満面の笑顔を見せて頬にキスをすると、俺の胸に顔を埋めて言った。


「でも私の方がもっと好き。千晴……ずっと一緒にいてね。」


「おうっ。」


当たり前だ、そう思いながら返事をした。



服装を直すとどちらからともなく自然と眠りにおちていった――。






今を生きる自分達にとってこのまま先に続いていくと思って疑う事を知らない。


そう信じている―――――。



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あきゅろす。
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