短編
キルアside
昔から仕事のない日は、毎日のように俺んちに遊びに来てる名無し。
必ず俺んとこにくる名無し。
初めて会ったとき、何て可愛い女なんだろって思った。
俺と同じ髪の色。
くりくりした丸い目。
俺より4歳年上って言うのは信じられないくらいの童顔。
うちの家族と違って、よく喋るしよく笑うし、
何より一緒にいると楽しいし、幸せって感じた。
名無しが仕事で来ないとき、俺が仕事で会えないとき、すごくつまらなくて
何よりも名無しが殺しなんてしてるのが嫌だった。
一度だけ、名無しが仕事しているのを見かけたことがあったけど、
ターゲットが絶命した瞬間、
ほんの一瞬だったけど、
アイツ
涙流してた。
ああ、俺と同じだ。
暗殺一家に生まれた運命だから仕方がないと思ってやってるだけなんだなって。
さっき、結婚するなら俺って選んでくれた。
消去法で選んだだけかもしれない。
それでも嬉しかったから。
もうすぐ家を出て一人で生きていこうと決めていた。
名無しに二度と会えないなんて嫌だから。
お願いだ。
俺と一緒に外の世界に行こう。
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