[携帯モード] [URL送信]

〜forever〜 永遠に

いつもと同じ


綺麗な、鳥の囀り

城下町の賑わう声

何よりも 子供の笑顔


今日もトラス国には平凡な時が流れていた


バンッ

「王!!緊急の伝達が!!!」


綺麗な装飾が施されている扉が
音をたてて勢いよく開いた

平凡は、1人の兵士が乱入して来た
ことにより失われてしまったのだ



「無礼者!兵士が王の部屋に入るなどっ!!」

「よしなさい、オリヤンド」

「っしかし…、」


それまで、王と話し込んでいた人物が兵士に対して怒って
いるところを王が自ら止めに入った
“オリヤンド”とはその男の名だろう


「緊急の伝達とは何ですか?」

王は焦っている兵士に、心を落ち着かせるよう冷静に問う
それでも相手は焦りを抑えられないようなので王が提案した


「はじめから話して下さい、その…貴方が傷を
負っている訳も踏まえて」



そう、兵士の肌は血で濡れていた
頭からは今も尚、血が流れている
扉の前で見張りをしていた者たちは
それを見て緊急と察し、してはいけない
ことだと分かりながら、血塗られた兵士を通したのだろう


城内の者達は道に沿って続く血の跡に驚き
看護の者は治療具を持って駆け出し、今では
許可を貰って王の部屋に入り兵士の治療をしている


「ネオウルですっ!王っ今すぐ兵をっっ」
そこまで言って、兵士は傷の痛みに顔をしかめた

「ネオウル」 その言葉にその場にいた者たちの
視線が一気に兵士へと注がれた


「ネオウル国がどうしたのです?」

「仲間とっ……、私は仲間とオーランド国に
剣総長からの伝言を伝えに行きました…その道中…ネオウルの兵に会いっ、クッ」


兵士は話しながら、悔しそうに、悲しそうに、怒りに…
涙を流していた

その場にいた者たちは分かってしまった
何故この兵士が苦しんでいるのかを


仲間が殺された


戦場に立つ者として
これ程までに悲しいことは無いだろう

そのうえ、この兵士は殺された仲間を
その場に残したまま帰還したのだ
そんな自分に、怒りを
仲間を殺した相手に、憎しみを
 抱いているのだろう


「仲間は何人いたのだ?」
1人の男が話を切り出した


「っ2人です」

[*前へ][次へ#]

2/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!