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キミだけを抱きしめたくて

ep.8 「それぞれの想い」

家に着いたりんはベットに倒れ込んでいた。

「ふぅ…」

腕で目を隠し、展望台を思い出す…

『俺…りんのことが好きかもしれない』

先手を打たれた。
凄く嬉しいのに…なのに…

彼の心の傷を見てしまったから…

本当は、りんから告白するつもりだった。
その為に、わざわざロマンチックな場所を探して、なんとか口実を作ってその場所まで行ったのに…

なのに、そこに居た彼は心の傷を抉られたかのような、寂しそうな…すがるような目をした彼だった………



直之もまたベットを背に座り込んでいた。

「…馬鹿が…血迷いやがって…」

行き場のない想いに身を任せて口走った言葉…

(なんて馬鹿な事をしたんだ…)

後悔と絶望の縁に立たされ、またしても自分で自分の首を絞めていることに気が付いたのは夜が開ける頃だった。




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あきゅろす。
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