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キミだけを抱きしめたくて


Ep.1「出来事」


久しぶりに彼女と食事をし、家に着いたのは22時を過ぎていた。

ぼぉ〜っとしていたのだが、ふとパソコンに目がいった。

そう言えば、最近動かしてなかったなっと電源を入れる。

最近のパソコンは電源を入れたら直ぐに使えたりするらしいが、我が家にあるのは旧型。

人から譲り受けた物だ。

旧型のパソコン独特の稼働音が部屋に響き渡る。

実はこの音が心地よかったりするが、それはここだけの話だ。

昔、彼女が居た頃
夜も稼働させててよく怒られたっけ…

そうこう考えている間にパソコンは既に使える状態へとなっていた。

「っとと…ん?」

よろけながら、画面を見るとそこにはメールが1通。

「誰だ?わざわざPCアドレスに送ってくるなんて…」

と呟き、メールフォームを開く。

「っあ、トトからだ!」

トト
それは、サッカーくじでも無ければ、某メーカーでもない。

彼が数年前から始めた、インターネットゲーム仲間だ。

『お久しぶりです。元気ですか?』

短いメール。
しかし、今の彼にとっては言葉に言い表せ無いほど、嬉しかった。






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