キミだけを抱きしめたくて
9
ep.9「休日の過ごし方」
今日は日曜日。
新人の直之にはまだ経験が浅いので呼び出しは掛からない。
いつもなら部屋でゴロついているが、今日はそんな気分じゃなかった。
部屋に居れば携帯を開いては、閉じ、開いては、閉じを繰り返していたからだ。
電話しようか…いや、せめてメール…ってか何を話すんだ?
そんな自問自答を繰り返して二時間。
ため息ばかりが出るのも馬鹿らしくなり外に出た。
空は青く、透き通っていた。
太陽が眩しい…
冬らしからぬ天気にまたため息が出る直之。
(とりあえず…どうしようかな)
っと、ポケットに手を入れた途端、違和感があった。
それは昨日、りんに渡すはずだったプレゼント。
思わず口走った言葉のせいですっかり忘れていたようだ。
「どうしようかな…」
少し悩んだ結果、彼女の家に行くことにした。
場所はこの間、電話したときに聞いていたから大体の場所は分かる。
そうと決めたら既に走り出していた。
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