キミだけを見つめたくて
3
そんなわけで何処につき合わされるかと思ったらそこは喫茶店だった。
本通りの筋違い。
人通りの少ない所だ。
カランカラン〜
っと、どこか聞き慣れた鈴の音を鳴らしながら扉が開く。
っと、カウンターにいたマスターと目が合うがすぐ目線を逸らされる。
「お好きな席へどうぞ〜」
っと、奥の洗い場と思しき場所から声がした。
恒司と碧理は窓辺の隅っこのテーブルに着いた。
「…ここはね?紅茶が凄く美味しいんだって」」
「へぇ〜」
いくつかある2人に共通すること。
それはミルクティー好きという点である。
「ご注文はお決まり?」
「ケーキって何が残ってますか?」
恒司が尋ねる。
「えっとねぇ…ガトーショコラとイチゴのショートケーキね」
恒司は男子であるが、甘い物に目がない。
しかし、果物は苦手というちょっと変わった…いやだいぶ変わった性格の持ち主だ。
「じゃあ、私はイチゴのショート」
っと、碧理が告げる。
「ガトーショコラ」
「お飲み物は?」
『ミルクティーで』
っと、キレイにハモってしまう。
「はい、かしこまりました〜」
と店員が去っていく。
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