キミだけを見つめたくて
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しばらくして運ばれてきたのは一目で分かるほど手の込んだイチゴのショートケーキとガトーショコラ、それに…
(あれは…ロイヤルミルクティー?)
紅茶に関する知識は恒司の方が上回る。
お茶の香りや色で茶葉を当ててしまうほど。
「ウバのロイヤルミルクティーですか。」
「そうですよ。
お詳しいんですね〜」
「いえ…癖みたいなもんなんで」
テーブルに並べられる。
「美味しそう〜」
ショートケーキはスポンジが三層構造になっており、下がホイップとイチゴの層になっており、上の層はピンク色のイチゴホイップ。
最上層こと表面はホイップの上にイチゴがのっており、ほんの少しソースがかかっている。
「いただきます」
そう言うと、碧理はフォークを片手にケーキに手を着けた。
小さくカットして口に運ぶ。
「…ん〜美味しい♪」
その様子を黙って見ていた恒司に気が付いたのか首を小さく傾げる。
「いや、なにもないよ」
そう言うと、恒司は紅茶を飲む。
「…少し食べる?」
ふと、碧理からそう尋ねられる。
「いや、果物がだめなの知ってるだろ?」
「知ってるよ〜
ちゃんとよけてあげるから」
そう言いながら碧理はケーキを切り崩す。
「ハイ、あ〜ん」
………
「ほら、口開けて」
恒司は観念して恐る恐る口を開ける。
そっと口の中にフォークが入れられ、ほのかにイチゴの味が口に広がる。
「これは…ラズベリー?」
ケーキの僅かなソースがベリー系の甘酸っぱさを演出していた。
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