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キミだけを見つめたくて


昼休み、中庭の大木を囲うようにして作られた石段に微妙な間隔を開け座る二人。

恒司はおにぎりを。
碧理は菓子パンを食べていた。

「それで?どうしたんだよ?」

「ん?」

一つ目のおにぎりを食べ終えた恒司が訊ねる。

「後でちょっといい?って聞いてきたじゃん。」

っと、碧理も一つ目を食べ終える。

「あぁ…大したことじゃないんだけど…」

っと言いながら二つ目を開けて頬張る。

「ん♪おいしい」

「………」

恒司も二つ目を開ける。

「っあ、ごめんごめん」

「いいよ、気にしてないから」

そう言いながら頬張る。

(気にしてないというよりかは慣れて諦めた、が正しい…かな)
などと思いつつ、続きを待つ。

「………」

「………」

黙々と食べる彼女。

「………」

半分以上食べている。

「………」

「…おい」

美味しそうに食べる彼女を見ているのは悪くないが話が進まないのではどうしようもない。

「…っあ、ごめんごめん。
えっとね…放課後、時間ある?」

「今日は…特にないな」

「じゃあ、少しつき合って?」

「いいけど…どこに?」

この場合の「つき合って」はどこかに行くから一緒に来てくれない?を指している。

恒司には断る理由はなかったが、どこに行くのかが気になった。

「っま、それは放課後のお楽しみと言うことで。」

そう言うと、彼女は二つ目も食べ終えていた。

「それじゃ、いつもの場所で。」

そう言うと彼女は立ち上がり校舎に消えていった。






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