新フェアリー 本編 1 最後の一機は伊波の隊のルーキーが落とし、謎の無人機部隊は消滅した。 一先ず、危機を脱した重盛達なのだが、本拠地に戻るための燃料と弾薬の補給を受けるため、ガーゴイル隊の所属基地である、ツヴァイハインド基地に降り立っていた。 ツヴァイハインド基地 周りを山々に囲まれ、唯一西側に山の切れ目があり、そこに二本の大きな滑走路を構える基地。 「ふぅ…」 ヘルメットを外しながら辺りを見回す。 季節は春。 山々が青々しくなり始め、動物達も目覚めはじめた頃で気温は丁度良い。 しかし、数ある例外の内の一つである基地の滑走路前はむしろ暑い。 「おっす!」 先に降りていた伊波が現れた。 「由貴ちゃんも久しぶり」 「こんにちは」 返事を返した由貴なのだが、どこか気分が悪そうだった。 「由貴は機内に。」 外に聞こえない程度の声で由貴に言った。 「ごめんなさい」 機体に由貴を残し、タラップを降りた。 本来は地上勤務であるのだが、昔のとある事件により、無理を言ってフライトオフィサーを勤めている。 [次へ#] [戻る] |