小説 フェアリー隊
3
『カタパルト、圧力上昇…70…80…90…』
『システム、オールグリーン』
『射出システム異常なし!』
『ロック解除、発艦!』
空母から打ち出されるF-35C
「発艦完了!」
『クロノス隊、グットラック!』
飛び立ったF-35Cはデルタ編成で北を目指す。
『こちらリヴァイアサンCIC…敵は以前こちらに向けて飛行中…』
『こちらからの問いかけに応答はない。』
『接敵まで後3分。』
心の中で深呼吸をするフレイ…
(大丈夫…やれるさ…)
そう言い聞かせながらスロットルを押し込む
アフターバーナーに点火して一気に加速する。
「しっかり着いて来いよ!」
『了解!』
なおとはかなり緊張しているのだろう。
アンノウン迎撃任務なんて言うのは初めて。
普段は哨戒任務、もしくは模擬戦ぐらいなのだから。
その点、三上だけは別格だ。
彼は実戦を経験し、本当の戦場を知っている。
…………エース
皆はそう呼ぶ
戦闘機パイロットであれば、皆が憧れる称号…
フレイ自身もそう呼ばれるが、自分はまだまだだと思う。
ノンや三上、アヴェンジャーの伊波とか言うやつに比べれば。
人と比べるなと言われるが、何かを比較対象にすることで、人はそれを目指し、成長する。
今も…そう…この時も……
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