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小説 フェアリー隊


FFS-22 バルキリー
それは由貴と重盛所属していた独立部隊が提唱したスフィア独自改修計画にあった機体であった。

具体的には現在の即在機を形を変えずに近代的に改修すると言うもの。

F-22A ラプターを原型に、3次元推力偏向ノズル、最新アビオニクス、そして徹底した軽量化を施した機体。

重盛達が気付いた理由はバルキリー専用に開発された追加武装、マイクロミサイルを搭載していたからである。

「…実用化していたとはな」

「どうするんですか?」

重盛はしばらく黙り込み、そして言い放つ。

「俺が先行してくる。」

「…お兄ちゃん!」

心配した麻衣が声を掛ける。

「大丈夫だ。ちょっと向こうと話してくるだけさ。」

「…………」

麻衣は黙り込んでしまった。

「それじゃあ、操縦はオートにして、ハッチを開いてくれ。」

「…わかりました」

由貴も不安のようだった。

格納庫へ向かう重盛は扉の前で言う。

「大丈夫。すぐ戻ってくるさ」

そう言うと廊下を走り出す。

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