小説 フェアリー隊 4 「紅茶、入りましたよ。」 3つのカップを持ってくる。 「ありがとう。」 「ありがとうございます。」 それぞれカップを持つ。 「アップルティーか…」 「実はこれが最後なんですよ…スフィアに着いたら買わないと…」 「今度は夏に向けてレモンティー用も買わないとな。」 一口、口にする。 「…甘いな。」 「ごめんなさい、砂糖多かったですか?」 「いや、そんなことないよ。 改めて味わってると…ね」 もう一口飲む。 「ふぅ…」 「どうかしたんですか?」 由貴が重盛に問う。 「伊波からのオーダーにこんなのがあってな…」 データを由貴の画面に転送する。 「これは………」 「…4年前の事件の時使ったあのシステムと兵器だ。」 「あれですか…」 4年前…それは詩織を亡くしたあの事件。 「そう言えば、私がお兄ちゃんの所に行ったのも4年前だよね?」 「ん…あぁ、そうだよ。」 (…話題を変えよう。) そう思ったのだがいい話題が浮かばない。 「そう言えば、由貴さんはいつお兄ちゃんと出会ったんですか?」 「っえ?私?えっと…5年前かな」 「5年ですか…お兄ちゃんと仲が良いんですね。」 明るい口調で言う麻衣。 (今回は麻衣の性格に助けられた…かな) そう思いながらアップルティーを飲んでいく。 [*前へ] [戻る] |