小説 フェアリー隊
3
「…そろそろ領海が終わる。
戻っていいぞ。」
『…本当に大丈夫ですよね?』
今まで黙っていた江口が口を開いた。
重盛は、麻衣そして一ノ瀬を見回して言う。
「大丈夫だ。必ず戻ってくるよ。」
そう言うと、江口は「はい」っと答えた。
「シルフ隊全機へ告ぐ。進路を045へ取りダリス島航空基地へ迎え。」
『了解。』
シルフ各機が旋回して行くのを見送る。
「行きましたね…」
「あぁ。
オートパイロットモード。」
スイッチを操作し、オートパイロットにする。
レーダーをロングレンジに。
まだシルフ各機が写っているが、しばらくすれば消えるだろう。
「…さて、伊波のデータに目を通すかな」
そう言うと、重盛は席を立ち艦長席に座る。
「ふぅ…」
「そう言えば…また三人ですね。」
「ん?あぁ、そう言えばそうだな…」
「…ごめんなさい
わがまま言って…」
謝ったのは麻衣だ。
それに対して由貴はこう言った。
「っあ、そう言う意味じゃないんだけど…
そうだ、お茶を淹れてくるわね。」
席を立つ由貴。
「…本当はブリッジは飲食禁止なんだが…」
苦笑いする重盛に見送られてブリッジを出ていった。
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