小説 フェアリー隊 8 空母に戻ったフレイ達はブリーフィングルームに集まっていた。 「アレが噂のヤツだな…」 フレイは噛み締めるように呟いた。 「あの機体…すこし手加減をしていたように感じる…」 「アレで…ですか?」 この面子の中で一番年下、かつ階級の一番低いなおとは三上に問い掛けた。 「まるでこちらの出方を伺っている様だった」 フレイも薄々感じてはいた。 旋回中、急に角度を緩めたり、鋭い機動を見せたかと思えば鈍く反応したり… 「私もそれは感じました」 ここでフレイもそれを口にした。 三上は頷くとさらに続けた。 「以前戦った時もそうだった。 っが、隊長も居たせいか、一瞬で方をつけた。 今回はと言うと俺達は不馴れな艦載機だった。」 三上はこのまま続けるのであろう。 一同を見渡して続けた。 「思うに向こうはまだ本気じゃない。なにか仕掛けてくる気なのだとしたら次は本気だ。」 「…それは何か根拠があるのですか?」 なおとが口を挟むが気にもせず答える。「いや、勘だよ」っと。 確かに歴代のエースには次の出方が見え、それにあった戦略を立てる。 フレイも最初の方までは同じ意見だったが、まさかそこまでとは思わなかった。 「とりあえず、ノンさん…いや総隊長にこの事を報告しなければいけないね」 三人は報告書と戦闘記録を書き進めていった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |