MACROSS-A.D.2048-
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「ここだ」
しばらく歩き、男はドアの前で立ち止まる。
男は胸ポケットからカードキーを取り出してドアロックを解除し、ドアを開けてそのまま部屋に入る。
「入れ」
男に声を掛けられて二人は部屋の中に入る。
部屋の中は閑散としており、目に付くのは机と本棚らしき棚、机の上に置いてある端末のみだった。
「紹介が遅れたな、俺がブラックバルチャー隊隊長のドルチェフ・ブライアンだ。ひとつ、よろしく頼む」
少々、無愛想な態度でドルチェフは挨拶する。
「隊長、質問いースか?」
タクヤは手を挙げてドルチェフに質問する。
「何だ?」
「ここに来るまで景色を見ていたんだけど、町みたいな物は無いんスか?」
「残念ながら、そんな物は一つもない」
タクヤの質問にドルチェフは無愛想に答える。
「ちぇー、なんだよ。何かつまんねえ所だなぁ・・・」
ドルチェフの言葉にタクヤは口を尖らせて不満そうな表情を浮かべる。
「タクヤ、そんな言い方は・・・」
「いや、彼の言う通りだ。ハッキリ言って、ここはつまらん場所だ。俺がこの場所に来た時も同じ事を思ったもんだ」
タクヤの態度を咎めるエスターにドルチェフは、基地配属当時の感想を正直に話す。
ふと、ドルチェフは部屋の窓から空を見上げる。
空には、ちょうど偵察を終えたバルキリーが滑走路に向かっていた。
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