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そっちとあっちの恋愛事情
Turn.朔哉
「…ボンゴレの家に、ですか?」
骸は不機嫌そうな顔で山本を見る。
骸からしてみれば雲雀と時間を邪魔されて、いい迷惑だ。

「そう、ツナん家。いかねぇか?」

「あの、山本?え、ちょっと、」

話の流れについていけず慌てるツナをよそに山本はどんどんと話を進めていく。


「行こうよ、」
そこで二人の会話を聞いていた雲雀が口を開いた。
出たのは、山本の意見を賛成する一言。

「沢田綱吉の家、楽しそうじゃないか…」
不敵に笑う雲雀だったが、ツナは、雲雀さん絶対リボーン目当てだな、と確信した。

「私は雲雀くんがそういうのなら構いませんが…」
骸は折角二人だけの時間だったのに、呟くとため息をついた。

かくして、四人はツナの家で遊ぶことになった。

(なんで、俺っていっつも巻き込まれるんだろ…)

ツナが本気で泣きたくなったのは言うまでもない。

雲雀も骸も家の場所は知っているらしく、ツナと山本の前を二人並んで歩いていく。
普通は前後逆なんじゃないかな、とツナは思ったが考え直した。この二人に常識などいっさい通じない。今までの事で学習した事だ。



「くふふ…」

黙って歩き続けていた骸が、不意に笑い始めた。
それに怪訝そうな顔で雲雀が睨み付ける。

「何、急に笑わないでよ…気味悪い。」

「気味悪いとは心外ですね。私はただ、昔では誰かの家へ遊びに行くなど考えもしなかったので少し楽しみかな、とそう思っただけですよ。」

「ふぅん…」

あ、とツナは思い出した。

(骸は少さい頃ずっと、実験体にされていたんだっけ。)

そんな少し重い話をしていると家の前についた。

ドアを開けて、中に入る。

皆で買い物にでも行っているか、いつも騒がしい室内はしんとしていた。

三人をリビングに通して、お茶をいれる。
あいにくツナの家にはジュースなんてものはない。お茶か珈琲のどちらかだ。

「ボンゴレの家は片付いてますね…」
呟くように言った骸は、何に興味があるのかわからないが家の中を見回している。

「…何か珍しいものでも?」


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