そっちとあっちの恋愛事情
Turn.朔哉
骸がツナ達に向けた笑みに雲雀は少しむっとする。
少しだけだが、骸の意識が違うところに向いた事に、腹がたった。
僕といるのに違うものをみるなんて…許せないよ。
「ねぇ、早く行こうよ。」
「え、あぁ、はい。で、どこに…?」
「何処にって…君が決めてたんじゃないの?」
「いいえ、全く。ただ、雲雀くんに会いたかっただけなので何処に行くかなどは考えてませんでした。」
今日の約束は昨日、骸から無理矢理に近い状態で結ばれたものだった。
だからてっきり骸が行き先もなにもかも決めていたと思ってたのに…
ちょっと拍子抜けだ。
「何それ…」
雲雀の口からそんな言葉が零れた。
骸も苦笑いする。
「もしかして、ただ会って帰るつもりだったの?」
「えぇ、そうですよ。」
けろりと言い切る骸に雲雀の鉄槌が、落ちた。
ふざけてる。
この約束に少しだけだが、どきどきしていた僕の気持ちにもなってみなよ。
「…僕、帰るよ。」
「あ、ちょっとっ待ってください!」
それから二人は話し合っていたのだが、段々と口調を荒げ最終的には口論となっていた。
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