言の葉
届かない
今日はあなたの姿を見ていない
今日はあなたの声を聞いていない
いつから狂ってしまったんだろう
二人の歯車からは
軋んだ音が聞こえてくる
聞こえない合図
見えないシグナル
忘れられたように届かない
すれ違う心と
交されない視線と
冷めて行く関係
いつのまにか凍りついた心は
離れていくあなたとの距離で
僕の言葉を聞いて
その耳を塞がないで
そして
その声で愛を囁いて
届かない想いをその内に抱えて
見ているものを見つめることも
出来ずにいた
今すぐあなたの姿が見たい
今すぐあなたの声を聞きたい
いつから狂ってしまったのだろう
軋んだ歯車は
それでも止まることを知らず
ぬけてゆく隙間風
消えそうな細い糸
見捨てられたように震えている
届かない心と
伸ばせない この手と
遠くなって行く距離
いつの間にか凍りついた心は
全てを臆病にしていた
あなたはそこにいるのに
僕はここにいるのに
きっと
顔を上げれば全てが見えるのに
届かない想いをその内に抱えて
その目を開くことも
出来ずにいた
2006/11/14 初出
2007/08/22 移稿
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