ぬら孫 PROLOGUE 「お兄ちゃん、私のこと知ってるの?」 言葉が出なかった。 「お兄ちゃん、暗い顔しているわ」 だって君は・・ 「百花繚乱!花吹雪の舞!!」 もう会うことが出来ないと思っていたあの子の大好きだった花が舞う。 重力を無視して舞い上がり、ほのかにあの子の甘い匂いを残しては消えていく。 ああ、なんと儚いことか。 「ほら綺麗でしょ・・って、泣いちゃうほど気に入ったの?」 僕はとてもとても嬉しかった。 君と再会できたことが。 「お兄ちゃん、名前はなんて言うの?」 たとえ君が、僕のことを覚えていないとしても。 「・・リクオ。僕は、奴良リクオだよ」 [次へ#] |