[携帯モード] [URL送信]

暗殺教室
絶体絶命

ピチョン・・。

「・・水?」

「え!?さっきまで、全然大丈夫だったのに・・なんでいきなり踝まで水が溜まってんの!?」

「とりあえず、教室を出よう!!」

カルマ君の一声で僕らは走り出した。

ボロボロの廊下を壊すんじゃないかと思うほど、大きな音を立てながら走り抜け、下駄箱へと向かう。

「な、んで・・」

いつもは無造作に開けられていたドアが、隙間なくしまっていた。

そして、

『シューーーッ』

人ではない何かがドアに張り付いていた。

何かが僕らを認識する。

にやり、とそいつは確かに笑った。


「はは、これは参ったな・・」

「う、嘘でしょ・・」

「ど、どうするの。も、もう逃げ場が・・」

廊下の突き当たりまで追い詰められてしまい、手当たり次第の道具で窓を割ろうとしたが、ビクともしない。

牽制に消化器などを"何か"に投げつけたが、触れる瞬間に木っ端みじんになった。

「あいつ・・多分【濡れ女】だ」

「な、こんなときに何いってんの!?カルマ君!」

こんな状況なのに、カルマ君は目を輝かせたように笑っている。

「ずっと前、本で読んだんだ。女の頭を持つ、人面蛇体の妖怪だって・・」

「そ、それで?」

「水辺に現れては・・・・・人間を喰らうんだってさ」

「「最悪じゃん!!」」

すっげ、ホントにいたんだ、と笑うカルマ君を僕らの頭突きが襲った。


"濡れ女"と思われる何かの尾が僕らに向けられる。

尾が辛うじて目で追えるくらいのスピードで僕らに迫る。

5メートルくらいからはやけにゆっくりに見えた。

4・・3・・2・・

ついに、1メートルを切った。


・・・あ。

『ギャアアアアアアアアア』

ピチピチッと跳ねている尾。

甲高い叫び声が辺りに響いた。


「遅くなり申し訳ありません」

[*前へ][次へ#]

5/8ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!