暗殺教室
イケメン
「最近、やっと夏目さんの事分かってきた気がする」
きらきらと目を輝かせる茅野の目がハート型になっている。なぜだ、解せぬ。
それでも・・近頃の夏目さんは、今までのような人形のような笑顔ではなく、心から笑っているように見える。(学級委員組が安心していた)
それに、やっとありのままの自分を出せてきたんだろうか。
素の彼女は実にいい性格をしていた。
今から話すのは茅野談だ。
ある日のこと。
デザートのプリンを床に落として、この世の終わりのような顔をしていた茅野を「ドンマイですねえ」とあざ笑ったあげく、これから自分が食べるジェラートを取り出して自慢げにドヤ顔する殺せんせー。(この時点で、いかに茅野が殺せんせーを恨んでいるか、よくわかる)
悔しそうな(憎悪に燃える)顔をしていた茅野は、ふと自分を見つめる視線に気がついたという。
それは夏目さんだった。
夏目さんは自分たちの状況を見て、察したようだった。
すると夏目さんは不敵に笑いながら、自分たちの方に近づいてきたという。
「ねえ、先生。私と勝負しない?」
「勝負、ですか?」
「先生が勝ったら私のシュークリームをあげるわ。でも私が勝ったら、先生のジェラートをもらう・・っていうのはどう?」
「ヌルフフフ、先生のジェラートはそんなに簡単に手に入らないですよ。まあ、できるもんならやってみろ、ですねぇ」
「・・そういう自信たっぷりのヤツの泣きっ面ほど、見たいものはないわ」
肩に狐を乗せ、手には木刀を持ち、にやりと不敵に笑う彼女のスケバンぶりは半端じゃない。
この数分後。
あっち向いてほいに負けた殺せんせーがにゅうやあああ!どうしてこんなことにィィィィ!と発狂していたそうだ。
「あの後、夏目さんなんて言ったと思う?"スイーツを愛する茅野さんに食べられたほうが、この子は喜ぶわ"・・もう惚れちゃいそう・・!」
「渚が女の子よりも女子力が高いように、夏目さんはね!このクラスの誰よりもイケメンなのよ!!」
鼻息荒く、ガッツポーズをする茅野が少し痛々しかった。というか、ちょっと待て。
「イケメンなのは分かるけど、僕はそんなに女子力高くないよ」
「それで女子力ないですって!?はっ倒すわよ!!」
・・なんか、今日怒鳴られてばっかりだなあ。
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