暗殺教室
公園
「ま、まさか」
「・・本ト、嘘が下手だね。夏目さん」
「う、嘘とかじゃ・・」
明らかに図星ですって顔でそんなことを言われても・・
っていうか、信じる人がいるのかなってレベルだったけど。
夏目さんの反応が面白くて、しばらく笑ってしまった。
「おい!見てみろよ、嘘つきの夏目だぜ」
「またこんな公園で"お化け"と話してるのか・・って、アレ?男もいんじゃん」
明確な悪意だった。
哀しそうな顔をした夏目さんは、飛び出そうとする俺の腕を掴んだ。
「こんなところで喧嘩しちゃったら、また怒られちゃうよ」
「・・なんであんなやつらを夏目さんが庇うわけ?ああいうのは、怒っていいんだよ」
俺がそう言うと、夏目さんは少し驚いた顔をして、直後嬉しそうに笑った。
「・・ありがとう。でもいいの。・・話しても無駄だもの」
そう言うと、夏目さんへ投げつけられた石を木の枝を使ってはじき飛ばした。
「ねえ、赤羽君。本当に見えるの?」
制服に付いた泥を落としながら、夏目さんは聞いてきた。
「ああ、見えるよ。影とか、話し声とかだけど」
「そう、大変ね」
ちょっと、笑いながら言う台詞ではないんじゃないの?
そう言うと、夏目さんは笑いながら帰って行った。
・・家とは反対方向に。
揺れる銀髪がやけに印象的だった。
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