夏目友人帳
名取周一という男
「あれ?君は・・」
「私はあい。夏目貴志の義理の妹です」
「義理?双子かと思ったけれど・・」
名取さんとカフェに入っているときのことだった。
たまたまだった。
あいもカフェにいた。
・・できればこの人とあいつを接触させたくなかったんだけどな。
「それで?祓い屋の名取が兄に何のようだ」
いきなり雰囲気の変わったあいにおれや名取さんだけでなく、ニャンコ先生まで驚いていた。
「押さえろ、あい」
「躾のなっていない式を持つ名取など、私の敵ではない」
「お前、後悔しても良いのか」
先生達の会話はおれには全く意味が分からなかった。
「君、何者だい?」
「私は、兄やあなたと同じく視える者。・・さっきはごめんなさい。気が立っていました」
「いや・・さっきは君のお兄さんに悪いことをしてしまったからね」
明らかに警戒心を持っている名取さんとあい。
はあ、とおれと先生のため息が木霊した。
結局おれは、名取さんの手伝いをすることになってしまった。
あいはついて行かないらしい。
まあ、そうか。おれ以上に相性悪そうだったし。
「そういえば、夏目。先週くらいに・・」
気を紛らわそうと、田沼と話しているとき。
【夏目妹そっくりの妖に助けてもらったんだ】
・・全然気を紛らわせそうにない。
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