夏目友人帳
夢
その夜、おれは誰かの夢を見た。
小さな少女が、唄を歌って遊んでいる。
しかし、薄桃色の着物と草履を履いていたから、おれの生きている時代から、少なくとも200年以上は前の人物だと言うことがうかがえた。
少女とおれの視線がかち合う。
次の瞬間、場面は切り替わっていた。
少女は少年達から気味悪がられていた。
少女は、死んだはずの蝶を生き返らせたらしい。
少女はちがうと泣いて、苦しんでいた。
そしてまた、場面は変わる。
少女は一人、花を摘んでいた。
花で冠を作って遊んでいるらしい。
そんな少女を誰かが呼び止める、ところで目が覚めた。
跳ね起きたおれを見て、どうしたこいつ、という目で見てきたニャンコ先生を絞め、おれは夢を思い出そうとする。
・・あの小さな少女の顔がなぜだか思い出せない。
けれど、最後に見た花畑だけは見覚えがあった。
【私は昼寝をする場所として、よく利用しているけどね】
あの、花畑だった。
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