夏目友人帳
視える
気がついたことがある。
初めて気がついたのはあいと散歩しているときだった。
「あいと一緒にいるとき、おれ、妖を視ていないんだよなぁ」
「なに?」
この家にニャンコ先生がやってきてからしばらく。
おれは風邪を引いて、学校を休んだ。
そこで、彼女がいないときに、あのことをニャンコ先生に相談しておこうと思ったのだ。
「ああ、そうか。お前、知らなかったんだな」
「何がだ?」
「あの娘から、お前と同じか・・いや、それ以上の妖力を感じる」
おそらく、レイコをも凌駕しているだろうな。
ニャンコ先生の言葉に俺はただただ驚いた。
「じゃあ、あいつは妖怪が視えているのか!?」
「ああ。しかし、あいつの妖力が強すぎて、妖怪が逃げ出しているから、あまり視たことはないんだろうな」
あまりにもけろっとニャンコ先生が言うから、少し拍子抜けをしてしまう。
けれど、どこか納得してしまう自分がいた。
彼女の行動、性格・・すべてにつじつまが合うのだ。
おれは彼女が学校から帰ってきたら、俺の隠していたことを話そうと思った。
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