短編集 沖田に恋する妖主(薄桜鬼)4 「ねぇ、妖。僕は雨の日しか君と話す事はできないの」 「…獣の妖なら、自分で変化することができるから、人も視ることができる。でも私のような力の小さな妖には…そんなことはできないのだ」 すべては、天が決める___ 「そう、なんだね」 哀しそうな顔をする彼。 「で、でも!私はいつも宗次郎のそばにいる!いつもいつも、お前の隣にいるのだ!!」 私は宗次郎にはそんな顔をしてもらいたくないというのに。 _____私に、もっと力があれば。 何回目かわからない想い。 私は妖なので、"神様"という人の考え方はよくわからないけれど。 【神様】___ いるのなら、どうか。 どうか、私の願いを受け入れてはくれませんか。 彼は身体中に痣を作っていました。 彼らは何かと宗次郎に文句をつけて、よく、稽古だといって、彼を殴り飛ばすからです。 いくらやめろ、と言っても彼らには聞こえません。 体当りしても、彼らにはほとんど気づかれず、逆に私が吹き飛ばされてしまいます。 私は、彼に折檻をする彼らを、何もできない自分自身を恨みました。 だから、 せめて彼が私の隣にいる時だけでも、 彼の心が穏やかでいられるようにと思うのです。 [*前へ][次へ#] |