薄桜鬼×銀魂1 史上最大の親子喧嘩E 弟の神威が生まれ、母さんと神威と生活する日が続いた。 父さんは相変わらず帰ってこない。 神威が生まれた頃から母さんは食事の量が少しずつ減っていた。 「母さん、調子でも悪いの?」 俺が聞くと母さんはいつも笑って答えた。 「大丈夫よ。さっき少し食べ過ぎただけなの」 俺は母さんのつく悲しい嘘に何も言えなかった。 俺は母さんの負担を少しでも減らすため、背中に神威を背負い、家事をこなすのがいつの間にか日課になっていた。 ある日の夜。 神威を寝かし終えた俺は、母さんが居間で咳き込んでいるのを見つけた。 「母さん!!大丈夫!?」 「・・嫌なもの、見せたね・・」 口元を抑えていた母さんの手は、朱く染まっていた。 「母さん・・、急いで病院に行かなくちゃ・・!!!」 真っ青になった俺を見た母さんは、俺を落ち着かせようと強く抱きしめた。 「大丈夫、わたしは大丈夫だから。あの人には黙っていて」 心の奥底が、ズンと重くなったのを感じた。 俺が母さんと神威を護らなきゃ。 今まで以上に、自分の成すべき事を自覚した。 [*前へ][次へ#] |