薄桜鬼×銀魂1
尋問
「久しぶりのお客さんだネ〜」
「お客さんならよかったけどね」
あまりにも大きくて、落ちてしまうのではないかと思うほどの月と、そんな月に照らされた、桜のような粉雪が舞う、そんな冬のある日。
私は彼らと出会った。
ここは新選組の屯所らしい。
井上、という人に連れてこられた部屋に渋々入る。
そこで、見つけた【異色】と呼べる存在。
「…異人…の方ですか?」
思わず聞いてしまった。
彼はぽかんとしていたが、すぐに微笑みを浮かべる。
彼は不思議な服装をしていた。
確か、清の国ではあのような着物を着ていると父様が言っていた気がするけれど。
「俺は【地球産】じゃないヨ」
「…地球産、ですか?」
「おい、神音!何話してんだ、話がややこしくなるだろ」
「暴力はよくないヨ。まあ、痛くも痒くもないけど」
「こんにゃろー!!」
私が聞き返すと、彼は隣の人から拳骨をもらっていたので少し申し訳なくなった。
…ぴょこぴょこ動いていた髪の毛がかわいいと思ったのはここだけの秘密だ。
「てめえは昨晩何を見た」
尋問が始まった。
けれど、私は彼らの誘導尋問に乗ってしまい…
もともといいものではなかったが、更に重圧がのしかかる。
残念だが殺すしかなさそうだ__
口には出さないものの、そう顔に出ていた。
「別に殺さなくていいんじゃない?俺のところで引き取るからサ」
そんな時に助け舟を出してくださったのは、先ほどの"彼"だった。
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