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薄桜鬼×銀魂1
ご飯

「お腹空いたアル」

「神楽ちゃん、僕ら預かってもらってる立場なんだからね?我慢しようよ」

「お腹空いたアル」

「え、まだ言うの!?・・しょうがないなあ、僕の魚、少しあげるよ」

「いらないアル」

「即答!?ちょっと酷すぎない!?酷いよね!?」

「・・ったく、お前らの馬鹿な会話聞いて、あちらさんどん引きしちゃってるじゃんかよ。もうしょうがねえなあ、仕方がないからこの沢庵やるよ」

「嫌いなモン、私に食わせようとしてんじゃねえヨ」

「んだと、クソガキャアアアアア!!表出ろォォ!!」

「何言ってんの、あんたら出られないから」

隣を見ると腹筋がツってしまったのか、ずっと震えている総司君がいる。

反対側を見ると、真顔で瞬き1つせず、凝視している斎藤さんがいる。(なんて言うか、目力が半端ないよネ)

前方を見ると、口をあんぐりさせた状態の三馬鹿が見える。(千鶴ちゃんはただひたすらにオロオロしてた)

そして、左斜め前を見ると、今にも噴火しそうな活火山・・じゃなかった土方さんがいた。

(山南さんは・・・・もうすごくいい顔してるよ。近藤さんと井上さんがマジで天使みたいだわ)

面白いから、ちょっとこのままにしとこう。

寿司桶を抱え直して、モグモグと口を動かしながら新しい三馬鹿の会話を聞いていた。

こいつら、馬鹿だなァと思いつつ。


・・なんて俺も他人事に思ってた時もありました。

「お前ばっかりたくさん食べてズルいアル」

「やだね。神楽達は完全なる自宅警備員だけど、俺は社会人で働いてるから。残念でした」

「いや!俺達好きで自宅警備員してるわけじゃないけど!」

「おっさ・・お兄さんたちが京に出ちゃったら、俺達の何か大切なものが全部粉々になっちゃうだロ?」

「てんめええええ!また俺のことおっさんって言おうとしたよね!?いや、今の文脈的に絶対そう言ったよね!?」

「ちょっと神音さん!僕ら、好きで問題起こしてるわけじゃないです!問題が僕らを呼び寄せてくるだけですから!」

「フン。馬鹿な男共は勝手に馬鹿騒ぎしてるがいいネ。ってことでそのご飯いただきィィ!!」

それ、一緒じゃんかよ。

そう思った瞬間に後頭部に鈍い痛みを感じた。

全く、人の食事を奪う為に手も足も出るとかヒロインにあるまじき行動だぞ。

ちょっと、神楽ちゃん。こちらを心配そうに見つめている千鶴ちゃんを見てみなさい。

「お兄ちゃんと遊びたい気持ちはよく分かったけど、TPOをわきまえようネ」

首根っこを掴みながら、それでも飢えた肉食獣のような目をしている妹の開いた口にご飯を突っ込んでやった。

「でもお兄ちゃんが優しいうちにやめるんだネ。次はないからサ」


俺の寿司桶のご飯を我が物顔で食べまくっている妹となんだか申し訳なさそうな顔をした天パとメガネを見て、みんなは驚き、怒り、その他諸々が一周回ったらしく、どこか悟った顔をしていた。


(なんか、懐かしいな。この変な感じ)
(なあ、神音。てぃーぴーおーってどういう意味なんだ)
(うん。平助、今みたいな状況のことだヨ)

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あきゅろす。
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