薄桜鬼×銀魂1 神音という男 神音さんを初めとする零番組の方々は、【異色】なんて言葉で片付けられる程度ではなかった。 【規格外】 こちらの言葉の方が彼らの本質を表していると思う。 「全く、情けないナ。全員でかかって俺に傷1つ付けられないなんて。お前ら戦場じゃ、すぐに死んじゃうヨ」 「いや、だんちょーが強すぎるだけだと思う!!」 「ま、せいぜいお前らは俺のアホ毛でも守れればいいや」 「そこまできたら自分で守ってくれよ!?」 番傘をさし、涼しげな表情を浮かべた神音さんは、地面に倒れ込んでいた1人1人に手を差し伸べて起き上がらせる。 しかし、地面には巨大な陥没が見られ、 木は根からぼきりと折れ、 地面に倒れ込んでいる方々はみんな、どこかしら怪我をしているという悲惨な光景だったので、思わず顔が引きつってしまった。 この"死闘"とも呼べるくらいの出来事を彼らは稽古と呼ぶらしい。 「あ、庭・・どうしよ。土方さんにどやされちゃうナ」 「・・みなさん、手当てをしましょう!このままでは体内に病原菌が入ってしまいますっ!!」 思わず、神音さんにそう言うと、彼はぽかんとした顔をした。 「舐めてたら治るって」 「〜〜〜!!手当を!しなきゃ!だめですっ!!」 私の勢いに、絶対神音さん少し、いや、かなり引いてたと思うけれど、この際関係ない。 皆さんの怪我の方が大切だ。 ___________________________________ _ 「・・千鶴ちゃん、すごいと思ってたけど神音君の手当をするなんて想像以上だね」 「第一声がそれですか!!」 神音さんの手当てをしているとき、沖田さんが遊びに来た。 「あれ、総司君。お仕事は?」 「ん?何のこと」 「サボタージュしてきたの、かっこいい」 「でも、代わりにこれを持ってきたよ」 「さすが過ぎる。天才かヨ」 神音さんは、たまによくわからない言葉を使うことがある。 今の"さぼたあじゅ"というのもそうだ。 "やと"、"はるさめ"、"だんちょう"、"あまんと"・・ 神音さんだけではない。 零番組の方々もよくわからない言葉を使う。 それでも、なんだかんだ言っていい人達だと言うことは、日々の生活で実感していた。 [*前へ][次へ#] |