薄桜鬼×銀魂1
物語が始まる少し前の話V
「あ、そうだ!みんなもだんちょーに会いたがってたんだー!」
ミミ、呼んでくるー!と駆け出そうとしたミミを神音は、どうどう、となだめる。
「ミミは馬じゃないーーー!」
「馬みたいなモンじゃないか」
「ミミ、女の子だもんっ!!」
「生物学上はネ」
「それってどーゆー意味ー!」
「左之さんに聞いてみなヨ。俺忙しいから、ちょっと出るネ」
半強制的に会話を終わらせ、ぐしゃぐしゃとミミの頭を撫でた神音は、「門限は守れよ」と言う土方の言葉に片手をひらひらと振りながら、ゆっくりと部屋を出て行った。
こうして部屋に残ったのは、新選組の幹部たちとミミのみとなった。
「おにーさんたち、すっごー!!」
「だってだって!あのだんちょーがキョウチョウセイっていうのを身につけてるなんてっ!ミミ驚き!目が飛び出そー!!」
「あー、うん。とりあえず、斎藤くんの髪を離してやってくれないか?」
言葉を句切るたび斎藤の髪を引っ張るミミに、苦笑した近藤が言う。
斎藤は何も言わなかったが、そろそろ目が据わり、悟りを開き始めていたのでナイスタイミングだった。
「ミミちゃんって、ほんと神音君のこと好きだよね」
沖田の言葉に今度は土方の髪を引っ張りながら、ミミは笑顔で答える。
「もちろん!ミミはだんちょーのこと大好き!ツンツンしてたときのだんちょーも、今のデレデレのだんちょーもどっちも好き!!」
「まあ、あいつもあったばかりの頃と比べれば、危ない発言もしなくなったよな」
「ミミはそれが、とってもうれしいのー!!」
「だから、ありがとー!!だんちょーを変えてくれて!!」
「ああ、だから、髪を離せ、髪を」
ついにキレた土方に首根っこを捕まれたミミは、笑いながら「もっとぶらんぶらんしてー!」と楽しそうにしていた。
「"今まで"だんちょーがお世話になりました!!」
そう発言するまでは。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!