薄桜鬼×銀魂1 侍の国 「おまっ、じっとしてなきゃダメだろ!すっごく怪我してたんだぞ!!」 「へぇ、ここがあの侍の国?」 「だーー!部屋から出てんじゃねぇ!寝てろ!」 「えー」 「えー、じゃねぇ・・食い物もらってきてやるから大人しくしてろ」 「寝てきます」 元気な少年は藤堂平助君というらしく、面倒見のいい彼は、ドスドスと音を立てながら廊下を歩いて行った。(ありがたや。) 大人しく布団に潜り込む。 ゆっくりと息を吸った。 (まじでここ、どこなんだ・・ターミナルないんだけど) (てか、俺の番傘どこなんだろう) (というか、俺・・) 「なんで生きてるんだろう」 俺は任務中に依頼人の裏切りにあって、なんとか半分は抹殺してきたが、最後の最後で至近距離からの大砲の攻撃を腹に受けて、死んだはずだ。 身体に大きな穴が出来たところだって、覚えている。 走馬燈のように今までのことを、母さんの声を、家族を思い出す、という柄にもないこともした。 自分を見下ろすと、腹の部分が見事消滅しているチャイナ服が眼に入った。 それと同時に、いつもと同じように機能している腹も見えた。 ・・夜兎ってすごいんだなと思いました。アレ、作文。 「ほら、粥をもらってきたよ」 「さっさと食って、よくなれよ」 ぴこん。 未だ反応を続けているアホ毛を見て失笑気味の平助と井上さん(というらしい)の二人をよそに、俺は遠慮なくお粥を平らげる。 二人の顔色が悪くなったのはそれからすぐのことだった。 (お腹空いたヨ) (まっ、まだ食べるのか!?) (よ、よく食べるんだね・・) [*前へ][次へ#] |