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薄桜鬼×銀魂1
史上最大の親子喧嘩【完結編】C

「・・もう俺を掻き回さないでよ、父さん」

ポツリ、ポツリ・・

降り出してきた雨の中、神音は血だらけのまま、地面に倒れ込んでいる星海坊主に向かって呟いた。

「家族を傷つけ続けてきた俺が・・これ以上、家族を悲しませるわけにはいかないよ」

「これ以上、約束を破るわけにはいかないんだ」

静かな声だった。

「もう、俺を父さんの中から消してよ」

「あいつらと一緒にいてあげてよ」

すがるような声だった。

ゆっくりと起き上がる星海坊主。

何も言わず、神音に自分の番傘を渡した。

「母ちゃんだけじゃなくて、俺のも持ってろ」

「家族は、お前が切りたいっていっても切れねえからな」

番傘を握る星海坊主の手が、淡い光となって消え始める。

もうあいつに残された時間はわずかなのだと瞬時に悟った。

「・・不甲斐ない父親ですまねぇ」

「いつも、辛い仕事ばかり押しつけてすまねぇ」

「母ちゃんは・・俺がどんな手を使っても延命させる」

星海坊主に背を向け、歩き出していた神音に向かって声をかける星海坊主。

「馬鹿じゃないの」

神音は振り返らなかった。

星海坊主から渡された番傘をしっかりと握りしめながら。

ただ、前を向いて。

星海坊主は、小さくなってしまった神音の背中を見ながら、静かに言った。

「あの馬鹿息子を頼む」

「ああ、任せておけ」

俺が言うと、星海坊主は笑って言った。

「さすが、地球人は根性がちげえや」

ザァーッ・・

大きな声で泣いている空を見る。

泣き止むまでもう少しかかりそうだ。

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あきゅろす。
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