薄桜鬼×銀魂1
約束
【神音はお兄ちゃんだから、神楽と神威・・それとあの人をよろしく頼むね】
懐かしい声が聞こえる。
聞き心地の良いテノールで、すべてを包み込んで俺の嫌なものから守ってくれるような、そんな声。
俺の胸の奥を暖めてくれる、大好きな声。
ねえ、俺の名前を呼んでよ・・
「か、・・あさ・・」
ぷつん。
視界が”黒”で埋め尽くされていった。
「・・いっ!おい!!」
何かが聞こえる。
ゆっくりと目を開けた。
まだぼやけてクリアになっていないが、俺が先ほどまでいた場所とは違うようだった。
いや、場所ならまだいい。まだ許せた。
でも、この感じは・・星自体が違う気がする。
「おい、野良犬!聞こえているのか?」
「・・聞こえていますよ、旦那」
どこか鳳仙の旦那に似た雰囲気を持つ男が俺のことを見下ろしている。
強い意志の宿った眼だった。
「お前、生きたいか」
強い眼が俺を見る。
本能が戦ってみたいとわめき散らすほど、ゾクリと感じる何かがあった。
「ええ、生きたいですよ」
俺が答えると男はにやりと笑った。
(ああ、あと旦那。俺は野良犬というよりは兎だよ)
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