薄桜鬼×銀魂1
史上最大の親子喧嘩B
片腕はどうやら義手だったらしい。
「おい、星海坊主とやら。さっきの話、俺たちが分かるように説明してくれ」
「・・あんたらが俺の馬鹿息子を助けてくれたのか?」
「そうだよ。近藤さんと・・芹沢さんがね」
俺と総司が答えると、星海坊主は深々とお辞儀した。
「・・ありがとう、俺の家族の命をつないでくれて」
_________________________
「春雨というのは、天人によって構成された銀河系最大のネットワークを持つ犯罪組織のことを指す。実働部隊は最高指揮官の"提督"のもと、十二の師団で構成されていて、あいつは第7師団のトップの団長だった」
春雨、犯罪組織、団長・・とんでもない名前ばかり聞こえてくる。
「あいつってまだ、16、17くらいなのに犯罪組織の団長だったのか?」
平助の言葉に、星海坊主は苦虫をかみつぶしたような顔をして言った。
「・・あいつは7つの時にはもう、春雨の雑兵だった」
「そんなに小さいときから・・しかし一体なぜ犯罪組織なんかに・・」
近藤さんの疑問は確かに気になった。
いつ、どこで、7つの子供が宇宙の犯罪組織と出会い、加わるまでに至るのか。
俺たちには想像の出来ないことだった。
「"俺を超えるくらいに強くなりたいから"」
「あいつはそう俺に言った」
「でも実際は違ったのさ」
「定期的に家に届けられている、匿名の莫大な金が何よりの証拠だった」
「あいつは、ただ家族を護るための金を稼ぎたかっただけだ」
"神威や神楽・・母さんを護ってやってくれ"
「俺との約束が、ちっこいあいつをあそこまで動かせてしまったのさ」
確実に、あいつの仮面が剥がれかけてきていた。
「土方さん。用事を思い出したので失礼します」
総司がそう言って部屋を出る。
「・・総司も思うところがあったのかもしれんな」
確かにあいつらはよく似ていると思った。
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!