薄桜鬼×銀魂1
史上最大の親子喧嘩A
「食事も終わったことだし、今までどこほっつき歩いていたのか、お父さんに話しなさい」
「周りに美丈夫ばっかだからって、イラついてんじゃないヨ」
「あ、俺らのことは気にしなくていいから!」
とりあえず、平助は黙らせよう。
ぼこっ・・
「何すんだ、左之さん!!」
「いいから、静かにしてろ」
珍しく、近藤さんたちだけでなく芹沢さんも残って、楽しそうにあの親子を見ていた。
「で?・・俺の事はなんてアンタの耳に入っているの?」
一瞬で張り詰めた空気に変わる。
そこからは驚きの連続だった。
「・・お前は・・春雨第7師団団長神音は・・春雨を裏切り、第1から12師団の総攻撃を受けて・・」
「"死亡した"」
【死亡】___
重く、のしかかるような響き。息を飲む声が聞こえる。
しかし、全く現実味がなかった。
「全く、俺もヘマしちゃったよね」
神音は、何も悟らせないような表情で、ただ笑っていた。
「にしても、俺が裏切ったことになってるのか」
「笑い事じゃなんかじゃねえんだぞ、神音!!」
真剣な表情の星海坊主さん(教えてもらった)は、神音の胸ぐらを掴んで怒鳴りつける。
父親の目をしていた。
しかし、神音は冷めた目でただ前を見据えているだけだった。
「訂正点は1つだけ。俺は裏切っていない。依頼人と春雨が俺を裏切ったってところしか違わないよ」
「じゃあ、お前・・」
「でも俺は今、ここで生きている」
「俺のことなんか心配している暇があるならあいつらの心配したらいいんじゃない?」
もういいでしょう・・
立ち上がって、去ろうとする神音の腕をまだ終わっていない、と掴む星海坊主。
部屋の空気はこれ以上にないほど冷え切っていた。
「俺は、アンタが嫌いだよ星海坊主」
バキィ・・
腕を掴んでいたはずの腕が"飛ぶ"。
「さっさと失せろ。俺の前から」
「次は首飛ばすからな」
その様子を見ていた芹沢さんは、クツクツと笑いながら部屋を出て行った。
「兎、酒を用意しておけ」
という言葉を残して。
「おい、俺たちにも分かるように説明しろ」
土方さんの強い目を見た神音は、あいつに聞けと言わんばかりに、首を動かし何も言わずに出ていった。
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