愛・Love・Amor-2- …………… ……… …… … 「ッハァッッ…ハァッ」 全速力で、教団半周とかなり。一気に走った。 エクソシストである私達でさえ、息があがってしまっても無理はない。 「ッハ、あはははっ、みたか?あのユウの鬼の顔!! 傑作だったさね〜!!!」 「そんな自殺発言…ユウに聞かれたら絶対に抜刀されるよ〜??」 と、口では言いながらも、私自身こみ上げてくる笑いを抑えられない。 私は、今日、久しぶりに、ラビが好きとか、苦しくて切ないとか、 そういう事全部ぜんぶ忘れて、心から笑った。 けど。 「な、ミレイ」 ふ、と蝋燭の火が消えるみたいに、ラビの笑い声が止まった。 急に、怖くなった。 これから、何を言われるか、分かった、から。 フラれる。そう、思った、けど。 耳に聞こえてきた言葉は、違う意味の連なりだった。 「あん時の、好きは…本当さ?」 穏やかに、それでいて、慎重に。 ラビの声がいつもより震えている、と感じた。 「ぁ…………」 口ごもってしまう。 伝えなきゃ伝えなきゃ、本当だよって。 言わなきゃ言わなきゃ、好きだよって。 だけど、言葉はうまく出てこなくて。 「あのな、ミレイ」 痺れを切らしたみたいに、ふいにラビが立ち上がる。 後ろから見たラビは、なんだかとっても、オトコノコにみえた。 「オレ、ミレイの事ずっと好きだったんさ」 ……………え。 都合の良い聞き間違いかな。 …ラビが、私を、好き…?? と。 「だけど、ミレイはオレといる時いつも上の空って感じだったし」 えっ??上の空!?いつも!?? 私が困惑に陥る中、ラビの言葉は続いた。 「なんかオレだけミレイに避けられてるみたいだったし」 避けっっ??! ラビだけ??! 「声かけてもらえる回数も一番少なかったし?」 「………」 いたずらっ子のように、笑うラビ。 の斜め下で、私は悶々と、記憶の糸を手繰り寄せようと必死になっていた。 「………」 ぐいっ。 唐突に、上から腕をひかれた。 視界いっぱいに広がるラビの顔。 むに、ほっぺをつかまれて、顔から火が出そうに赤くなったのが自分でも分かった。 「ミレイ、あの時、言えなかった返事、聞いてくれさ」 私の大好きな、翡翠の片眼が細められた。 ラビの顔が離れる、そして、体を心地よい体温が包んだ。 「オレも、ミレイが、好きさ、大好きさ。 だから、オレと付き合ってください」 意味があった?? あの時、あなたに叶わないと思っていても、諦められなかった想いを伝えて。 意味が…あったの?? 涙があふれ、視界がぼやける。嗚咽が漏れて、息苦しくなる。 そんな私に気づいたのか、彼が苦笑をこぼしながら、泣くなよミレイーと背中をさすってくれた。 答えをいわなきゃ、返事をいわなきゃ。 だって…… 「ッッッはいっ!!」 きっと、あの告白には意味があった。 きっと、あるべき、運命への伏線だったんだ。 だって、……… あなたも、私も、こんなに幸せだもの。 愛・Love・Amor さぁ、スキな人にスキと伝えよう [*][#] [戻る] |