EternalKnight
<それぞれの力>
<Interlude-???->
門を開き拠点に戻って来た。
「片付いたか?」
「《修羅》程度に遅れは取らん」
「潰したようだな、てっきり……見逃すと思っていたが?」
ロギア鼻で笑いながら言った。
「始めはそうも考えたが……奴は力を過信しておったのでな」
「力を過信するというのは未熟な証拠だ」
「どうせ……そのうち散るのであれば――」
「せめて……師として葬っておきたかったのでな」
「なるほどな。そういえば、力が増しているのはどうしてだ?」
分かっておろうに……
「《修羅》を破壊して進化したのだ、名は《鬼神》と言う」
「中々の力だな」
「階位はSだ、御主のSSSには遠く及ばんさ」
「お前の実力があれば並のSSでも歯がたたんだろ?―――」
「謙遜することは無い?」
「どちらにしても……拙者では御主の《アレ》を超えられん」
「それもそうか、アレを突破できる聖具などほぼ無いと言ってもよいしな」

7月20日金曜日
<SCENE031>・・・朝
「んっ……」
部屋に差し込む光で目が覚めた。
「今は、何時だぁ?」
枕もとの時計を見る……6時40分か。
「そろそろ起きるか」
俺はベッドから起き上がり制服に着替えた
「今日も眠り姫を起しに行くかなぁ」
真紅の部屋の前、ノックしてみる。
[コンコン]
「真紅、起きてるか! 部屋入るぞ?」
反応が帰ってこない……まだ寝てるな、じゃあ……起こすか?
真紅の部屋に入る――
まだ寝てやがるな、いつもの如く。
真紅のベッドに近づいていく。
って、なんか寝巻きのボタンの上のほうがいつもより大目に開いてるんだが?
いつもは一つ、今日は三つ、ちなみに全部で五つだったりする。
「こんなカッコで寝てるの見たら、春樹あたりが襲いそうだなぁ?」
もちろん俺はそんなことしないが、俺も男だからなぁ……
実の妹に手を出すほど飢えてないが――
なんて言うか、目のやり場に困るぞ、コレ?
「っと、真紅を起さなきゃな、いつもどうりデコピンでやるかな?」
あの日以来、起すときはデコピンでコイツを起している。
効果あるからなんだけどな。
「ていっ」
[ペチ]
「!っ・・・すぅ・・・すぅ」
一瞬効いたようだが、今も寝息立ててやがる……
慣れてきたのかなぁ?
「効いてないな……こりゃぁ、ならばっ!」
「でりゃっ!」
手刀を振り下ろす、すなわち今度はチョップである。
「ひゃうっ!」
コレは効いただろ、うん――
目開いてるから起きてるな?
「にゅぅ……おはお〜お兄ちゃん」
「おう、おはよ、パン焼いとくから早く着替えて降りてこいよ?」
「ふぁ〜い……」
俺は真紅の部屋を出てリビングに向かった。
チョップでもたいした反応を見せないか……
次はどうして起そうかな?
朝食の準備をしていると、真紅が着替えを終えてリビングに入ってくる。
「ふぁ〜……」
「まだ眠いのか? 昨日も俺より早く寝たのに」
「もう起きてるもん」
「はいはい」
[チンッ!]
「出来たか――ところで真紅、驚かないんだな?」
「ぷぅ、毎日私がトースターの音でビックリしてるみたいじゃない」
頬を膨らませて怒る真紅……気づかれていない。
「あれ、違うのか?」
「にゅぅ、今まで驚いたのは二十回ぐらいだよぉ? お兄ちゃん」
「十分多いな、二十回って……」
さらに頬を膨らませている……まだ気付かない。
「もぉぉ……そんなこと無いもん」
「じゃあ何回なら多いんだ?」
「うぅ〜」
うなりながら考え込む真紅の背後から……
「おはよ二人とも」
「!ッふにゃぁっ」
びくっ震え上がる真紅……可愛いいなぁ――
ってそうじゃないだろ俺っ!
「おう、おはよ、やっぱ真紅は驚きやすいよな? 聖五」
「だなぁ、ここまで驚いてくれると脅かしがいがあるってもんだ」
「お兄ちゃんは、気付いてたの?」
涙目で言ってる、驚きすぎだろ?
「そりゃ、お前の真後ろにいたんだ、向かいの俺が気付いてないのはおかしいだろ?」
「……ぅう」
「ところで聖五お前が来てるって事はもう時間がそれなりなんじゃ」
そんなに時間潰した気はないのだが……
「いや、今日は終業式だから早く来た――」
「今からならお前等が起きて無くても起せば時間的に軽く間に合う」
「じゃあ、久しぶりにゆっくり朝飯が食えるのか」
「そうだねぇ、お兄ちゃん」
笑顔の真紅が隣にいる、立ち直るの早いなぁ?
俺は久しぶりにゆっくりと朝食を取ってから出発することにした。

<SCENE032>・・・朝
で学校に到着した。
今日は春樹達も余裕を持ってきたので余裕で学校に着いた。
「あら、珍しく早いわね?」
「珍しくは余計だぞ、冬音」
「今日は特に春樹は遅れてくると思ってたんだけど、どうやら間に合ったみたいね」
「特にって何だよ?」
「何でって……うーん――」
「なんていったらいいのかな、あれよ、あれ」
「だからなんだよ?」
「えっとぉ……」
言いにくいことか、無いと思うがアレか?
いや、だったら春樹が来る時に言うからぁ……
「言いたくないならそれでいいんじゃねぇか?」
「なんだよ紅蓮、効きたくないのか?」
「べつにいい、それよりさぁ宿題どれくらい終わった?」
「話題いきなり変えんなよなぁ」
「俺は自分の持ち分は全部終わったぞ? 聖五、冬音お前等はどうだ」
「持ち分ってなぁ、俺は三分の一くらい終わったど、実質お前と同じくらいか」
「へ? もう終わったの? 私はまだ手ぇつけてないよ」
驚いた顔で言う冬音。
「ってか紅蓮、宿題分けてやって写し合うのが目的なのに割合が俺三でお前等一っておかしいだろ?」
「お前が一番勉強できるんだから仕方ないだろ?」
「そもそも夏休みの勉強って人の写すってのはどうよ?」
「それは頭いい人の発想よ」
「同感だな」
「ったく宿題出しすぎなのよ――」
「夏休みは遊ぶためにあるって知らないのかねぇ? 教員連中は」
「いや、少しは勉強もしたほうが……」
「それはだから勉強できる奴のセリフだって、きっとこの世の学生の99%がそう思ってるわ」
「「さすがにそれは無いだろ」」
俺と聖五の声が重なる。
「だからぁ、できる奴の意見は聞いてないのOK?」
「はぁ、まぁそういうことにしとくよ」
「気に食わな言い方ねぇ」
「分かりました、あなたの言うことは正しいです」
「よろしい♪」
[キーン、コーン、カーン、コーン]
ちょうどいいところでチャイムが鳴る。
「おっと、終業式始まるし講堂に行くぞ」
「だな」
「コレが終われば楽しい夏休みがまってる♪」
「成績表しだいだけどな……」
ボソッとつぶやいてみる。
「っく、見てなさい紅蓮――」
「今に聖五も追い抜いてあんたを見下してやるんだから!」
「紅蓮を抜くのは出来るかもしれないけど――」
「俺抜くのは《一生》無理だと思うぞ?」
なんか酷いことを聖五の奴さらりと言ってのけた。
そんな談笑(?)をしながら俺達は講堂に向かった。

<SCENE033>・・・朝
「それでは只今より第一学期終業式を始めたいと思います」
って、なんで生徒会長が仕切ってんだ?
「今回、出張の延期が急遽決まり校長先生は海外にいますので私が代わりに――」
へぇ、まぁ誰が喋ってようが関係ないけどな。
今後のことを思案する、聖具を使った戦いは続くだろう。
俺は生き抜けるだろうか?真紅を護れるだろうか……
創造の話だと聖具を破壊するだけでもいい。
それが面倒だから所持者の息の根を止める――
それからじっくり聖具を破壊するのだと……
「何トリップしてるんだ?」
「へ?」
声に反応して集中を解く。
始まった時間からもうずいぶんたっている。
「そろそろ終わるぞ」
「何で分かるんだよ?」
「だってなぁ、プログラムに次、閉会の言葉って書いてあるんだもん」
見てませんでした……それ以前に聞いていなかったが。

<SCENE034>・・・昼
何はともあれ終業式は終了して後は成績表を貰って帰るだけだ。
どうして親に怒られる心配も無いのに俺が成績を気にしているか?
理由は至極簡単だ。
まぁ欠点以下だと翔ねぇの《鉄拳制裁》が待っている。
親がいない俺達兄妹の親代わりをしているつもりなのかしれないが……
迷惑なことこの上ない。
ってか、成績悪くて注意する親はいるかもしれないが《殴る》ってのはどうよ?
叩くんじゃなくて殴るだ。
しかも、高校二年の夏のインターハイで空手で優勝してやがる。
揚句、翔ねぇは手加減しない、つまり本気だ。
去年は二メートル飛んだからなぁ……思い出したくないが。
で、まぁそれなりに勉強はしているつもりだけど……
「一宮紅蓮くーん」
しかも担任だから俺より先に成績を知れる訳だ――
まぁ何か成績いじる訳ではないのだが。
「はい……」
成績表を渡される瞬間、翔ねぇは何かがっかりした感じだった。
席に戻り、他の奴にに見られないように成績を見る。
(ちなみに十段階評価で2以下で欠点)
現国3
古文3
数学4
生物3
科学4
地理3
歴史4
英語3
体育8
家庭3
芸術5
欠点なし=補習なし
ふぅ、ってか殴れないからなんかがっかりしてたのか?
保護者代わり完全に失格だなぁ……
全員に成績表がわたって欠点者の補習の日時が言われる、まぁ俺には関係ないが。
それも終わり最後に翔ねぇ話になった。
「そんじゃ――」
「夏休みにエスカレーター組み以外はしっかり勉強するようにね?」
「エスカレーターの奴等はまぁ、羽を伸ばすように――」
「犯罪にだけは手を染め無いよーにねぇ?」
普通はしないと思うが?
「じゃ、二学期にまた会おう諸君!」

<SCENE035>・・・昼
「成績どうだった?」
「お前等とは格が違うんだよ、俺は」
で聖五の成績。
現国9
古文7
数学8
生物8
科学8
地理9
歴史8
英語9
体育9
家庭7
芸術9
普通にいい成績だな。
「お前は?」
「俺はコレだ」
聖五に成績を見せる。
「体育だけ高いなぁ、それに欠点も無いじゃないか?」
「さも珍しそうに言うなよ、傷付くわ」
で冬音を見る……机の上に突っ伏してるな。
「そんな、紅蓮に欠点が無いなんて」
「お前の成績は?」
「普通よ、あんたは? 欠点ないなんて嘘よね?」
冬音に成績表を渡し成績表を奪い取る
「ちょっとたんま!」
「気にすんなって別に悪くても何も言わないって」
で冬音の成績。
現国3
古文1
数学2
生物3
科学2
地理3
歴史2
英語1
体育6
家庭4
芸術3
黙り込む俺と聖五。
「まぁ落ち込むな?」
そっと肩を叩いてやる。
「お前より悪い奴ぐらい、いくらでもいるさ」
聖五の励まし――
「私より悪い奴なんていないよ」
さすがにそれはないと思うが……
「まぁ帰るか?」
聖五が言葉をかける。
冬音は無言でうなづいた。

<SCENE036>・・・昼
「待ってたぞお前等!」
校門前で春樹が駆け寄ってくる。
「どうしたんだ春樹?」
「おう聖五、いやお前等の成績教えてほしいなぁって」
「ばか、それは今言っちゃ」
「どうしたんだよ紅蓮?」
「いい、春樹成績見せて」
つぶやく冬音、コイツになら勝てると思ったのだろうか?
「じゃあお前等の見せてくれ」
「はい」
冬音が成績表を渡したので俺達も春樹に手渡す
んで……春樹の成績。
現国2
古文1
数学1
生物1
科学1
地理2
歴史1
英語1
体育10
家庭10
芸術2
今度こそ、言葉が出ない。
「おっと冬音も補習ありか、一緒に行こうな!」
「なんで……お前そんなに明るいんだ?」
「っふ、聖五にすらない10を二つもとった俺にその言い草は何だ?」
「いや、でも……お前、コレ」
「悔しいか? 聖五、はっはっは!」
「いやまったく」
「嘘はいいよ嘘は、はっはっは!」
俺達は成績表を返してもらい春樹に成績表を返した。
「じゃあな!」
「「じゃあな」」
「じゃ、私も行くね?」
「おう」
機嫌が直って笑顔になった冬音が走り去っていった。
「まぁ丸く収まってよかったな」
「だな」
「俺達も帰るか?」
「真紅を待ってからな」
真紅と合流した俺達は家に向かって帰ることにした、春樹と方向は同じだが。

to be continued・・・

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