EternalKnight
VS飢餓/正義の味方
<SIDE-Fein->
振り下ろされる刃に思わず目閉じる――こうして私は、何の記憶も持たぬまま死んで行く宿命なのか? そんな疑問が脳裏に過ぎる。
だがしかし、数瞬後に迫った筈の終わりの時が私を犯す事はなく、瞳を閉じた黒の世界に代わりに訪れたのは「――何?」今まさにその鉤爪を振り下ろさんとして居た筈の男の、そんな声だった。
そして、気付く――つい先程までこの場に居なかった筈の第四の人物の存在に。その姿を見ようと、私は思わず閉じてしまった目を開き、今の状況を自らの瞳で確かめる。
そこにあったのは、右腕を肘の先から失って驚愕に歪む敵対していた男の姿と、黒い刀身を支える銀色の柄を握り、その剣を振りぬいた体勢で敵対する男の背後に立つ、黒い髪の男の姿だった。
黒髪の男が何者なのか、記憶の無くなった私には分からない――だが、一つだけ分かる事はある。少なくともその人物は、私達の味方だという事だ。
敵対する男の漏らした疑問の言葉から、凍り付いた様に空間が静まり返る。永遠に思える様なその数瞬の静寂を引き裂たのは、謎の男にその腕を斬られた敵対者だった。
「斬られた? 俺の腕が? 何で!俺の腕がウデウでうデェ!また無くなる? まだ満たされてないの、渇いているのに? 消えていく、エーテルがガが、エェーテルるるルがぁッァアァ!」
狂った様に、敵対する男が絶叫する。否、事実として狂っているとしか思えないそんな叫びに、私も謎の男も唯呆然とさせられる。
その間にも、私や守るべき少女、そして謎の男のエーテルは敵対者によって奪われていき、斬り落とされた男の腕は、先程の残った鉤爪からの全身の再生と同じ様に斬られた断面から生えてくる。
その光景を目の当たりにして、謎の男は「再生能力か――面白い」と、呟く様にそんな事を言う。あんな光景を目の当たりにして自信に満ち溢れた言動を紡げる理由は至極簡単だ。
圧倒的なエーテルの保持量、それが彼にそんな言葉を紡がせたのだろう。《ロエン》とやらの力を使う前には私も結構な量のエーテルを持っていたが、その比ではない程のエーテル量を謎の男は保持している。
謎の男は「面白いけど、その前に――」そう言いながら、狂い叫ぶ敵対者の肩を後ろから左手で掴み、強引に自分の方へと振り向かせて、剣を握ったままの右手で敵対者の顎に拳を叩き込んだ。
その拳にどれだけの力が秘められていたのか、殴られた敵対者はいとも容易くその体を浮かせ、遠くへと吹飛ばされる。
敵対者との距離が開き、エーテルを奪われる感覚を感じなくなった辺りで謎の男はようやく此方に振り向き、続く言葉を紡ぐ。
「先ずはあんた等をアイツの結界の外にまで出しといてやらないとな。これ以上エーテルを奪われ続けると、流石に拙そうだったし、これで問題ないよな?」
なぁ、一つ聞いて良いか、私の聖具?
(《法典》或いはレアとでも呼んでくれ、以前のお前はそうしていた――それで、聞きたい事というのは?)
彼は、私の知り合いかい?
(否、俺は奴の事は知らん――知らんが、お前の考えている通り味方と考えて良いとは思うぞ?)
それに関しては私も同じ意見ではあるんだけどね、見ず知らずの人間に何の理由もなく助けられるというのは何か怪しくないかい?
(そう思う気持ちは分からなくも無いが、俺達に助けられる理由が無くとも、奴に助ける理由があれば話は別だろう? 気になるなら自分で聞いてみればいいだろう?)
《法典》の言う様に考えていても仕方ないのは確かに間違いない。答えが返ってくるかは分からないが、聞くだけ聞いてみるのは悪くない。
「助けてもらった事には感謝します。ですが、どうして私達を助けてくれたのですか? 少なくとも、私は貴方の事を知らない――此方が忘れていると言うのなら、謝罪はしますが……」
そんな私の言葉に、謎の男は平然とした表情で「どうしてって、別に誰かを助けるのに理由は必要ないだろ? まぁ、今回に関しちゃ約束があったからなんだけどさ」そんな風に言った。
「約束? 私達ではない誰かとの約束ですか?」
「あぁ、俺を助けてくれた人との約束だ。さっきも言った様に、別に約束なんて無くても、この場に居合わせたら助けたとは思うけどな?」
誰かとの約束で私達を助けた、それなら理解できる。だけど、それが無くても助けたであろうと言う男の考えが理解出来ない。
(別におかしな事ではないぞ、フェイン? 以前のお前は少なくとも、誰かを助ける事に見返りなど求めていなかった。守護者に属する者が基本的にそうであった様にな)
守護者――それはこの広域次元世界を守る為に見返り無く集まった聖具契約者の集団の名だ。知識としてそれは覚えている。《法典》の言う様にそこに所属していた事も頭では理解出来ている。
だが、今の私には分からない。見返り無く他者を助ける事に意味を見出せない。一体何故私は、守護者に属していたのだろうか?
「何故です? 一体何故、貴方は理由も無く誰かを助けると言えるのですか?」
「何故ってあんた……さっきも言った様に理由なんて要らないだろ? 強いて理由ってのが必要なら、俺に答えられるのなんて一つだけだ」
そこで言葉を区切って、男は少し気恥ずかしそうに、それで居て自信に満ちた表情で言葉を続ける。
「――正義の味方、俺はそれに憧れてた。でも正義ってのは視点次第で変化するもんでさ……だから俺は決めたんだよ、自分の信じた正義を貫こうってさ。理由なんてそんなもんさ」
男の答えを聞いても、私には納得できない。そういう考え方もあるのかと、そう考える事は出来ても、それを理由に私が守護者に属したとは思えない。
(――特に大した理由なんて無かった)
突然、何を問うた訳でもないのに《法典》がそんな念を送ってきた。大した理由は無かったと言うのは私が守護者に属していた理由の事だろうか?
下手に納得の行かない大義名分を並べられるよりは納得出来るが、大した理由も無く守護者に所属していたと言われても今一ピンと来ない。
(強いて言うのなら、自分が守護者の連中に助けられたから、自分も誰かを助けようと思った――お前の理由はそれだけだ、フェイン。少なくとも俺の知る限りではな)
――そんな事が理由で良いのか? そんな事を見返り無く誰かを助ける事の理由にして、戦い続ける事が出来るのか?
(出来るさ、以前のお前がそうであった様に、これからのお前にも必ず出来る、そう俺は信じている)
……分かった、今はそう信じさせてもらう事にする。
「さて、それじゃあ俺はそろそろ行くぜ――さっき殴り飛ばした野郎を倒さなきゃだしな? あんた等は暫くここで休んでると良い」
言って、男は鉤爪の男が殴り飛ばされた方へと視線を向ける。
確かに、私達が戦うよりもこの男が戦った方が遥かに勝てる可能性は高い――否、エーテルの保持量等を考えれば目の前の彼が勝つと考えた方が自然だろう。
「待ってくれ、私はまだ、貴方の名前を聞いていない……自分を助けてくれた相手の名を知らないままで居るのは、正直良い気分じゃないんだ」
また後で聞けば良いとは思うものの、何故だか今、彼の名前を聞きたくなって、私は彼にそんな言葉を投げていた。
「俺か? 俺は剣皇ハヤト、SSSクラス《剣皇》の契約者ハヤト=イケガミ。自称、正義の味方だ。で――そっちは?」
問い返されたその言葉に、私は自然に「私は《法典》の契約者、フェイン=フリード。守護者の一員だ」と、知識としては知っている、まだしっくり来ない筈の自らの名を返していた。

<SIDE-Hayato->
俺の名乗りに「私は《法典》の契約者、フェイン=フリード。守護者の一員だ」同じ様に眼鏡の男――フェインはそう答えた。
「さて、それじゃあ改めて、さっきぶっ飛ばした野郎を倒しに行かせて貰うかね? あぁ、あっちで倒れてる女の子の世話も忘れずに頼むな――ってのは、俺が言うまでも無い事か?」
「――あぁ、彼女の事は任せてくれ。とは言え、何が出来る訳でもないから、せめて他の仲間を見つけるまでの間、傍に居るくらいはしておくさ」
言葉に詰まる様な一瞬の間が気にはなったが、殴り飛ばした敵をこれ以上放置する訳にも行かないので、俺はフェインに背を向けて、敵を殴り飛ばした方を見据える。
反応だけを見るなら、殴り飛ばされた勢いを殺してその場に留まったまま動く様子が無い様に見えるが、生憎俺の探知能力では大まかな様子しか分からない。
動く様子が無いからと言って、放置する事で他で戦っている誰かに迷惑をかけたりするのも忍びない――故に、速やかにこの手で始末する。そんな決意を固めて、俺は足場を形成して両足に力を込めていく。
「それじゃあ言ってくるぜ、フェイン――野郎を倒したら直ぐに他の援護に回るかもしれないから、戻ってこなくても心配しなくていいからな?」
そういい残して、俺は形成した足場を蹴って、殴り飛ばした敵の元へと加速する。その速度は過去の《黒風》と契約していた頃からは考えられない程のモノで、一気に距離が詰まっていく。
(Sクラスの聖具と俺を比べてくれるなよハヤト? 他のSSSやEXと比べるなら兎も角、身体能力の補正に関して、俺の右に出る聖具は存在しないのだから比べても段違いなのは当然だろう?)
頭じゃ分かってるんだが、どうにもまだこのスピードに慣れてなくてな……あぁ、勘違いするなよ? ちゃんと制御は出来るからな? 感覚としてはまだ自分の速度が信じられないってだけだ。
今回はお前との大事な初陣だし、フェインにあれだけカッコつけちまった手前、圧勝するぐらいじゃなきゃカッコが付かない。
(別にそんな事を気にしなくても良い。俺達には絡め手も飛び道具もない、己が肉体だけが頼りだ。カッコなんぞつけて勝ちたいのなら、精進を惜しまん事だ。少なくとも今は勝つ事だけを考えろ。良いな?)
まぁ、俺も死にたい訳じゃないし、忠告通り、勝って生き残る事だけを考える事にさせてもらうかな――っと、いよいよ距離も本格的に詰まってきたな?
加速し、敵の下へと向かう体から徐々にエーテルが奪われていくのが分かる――敵の結界の範囲内に入ったのだ。
エーテルが少しづつ奪い取られていく感覚を気に留めず、只管に敵との距離を詰める。広範囲への略奪の結界を潰す一番簡単な方法は、能力の発動者を潰す事だからだ。
視界には既に男の姿を捉えているがまだ距離が遠い――殴り飛ばされる前は狂乱していた様に見えた男はすっかりと落ち着きを取り戻して、此方が辿り着くのを待っているかの様にその場に佇んでいる。
最初の一撃で斬り落とした腕は、切断面から腕が生える瞬間まで見ていたが、その際には完治と言える状態ではなかったが、既に完全に元通りになっている。
(成程、相手も再生能力持ちか――とは言え、その為のエーテルを周囲から無理矢理奪い取るというのは頂けないな? それに、流石に聖具までは修復できなかった様だ)
《剣皇》のそんな言葉を意識の片隅で聞きながら、男の元に辿り着く前に、もう一度脚にエーテルを集中させながら足場を生み出し、それを蹴る事で此処までの移動で失っていた加速力を取り戻す。
カッコを付ける必要が無いのなら、勝つ事だけを考えて戦うなら、相手が待っていたからと言ってこっちが待ってやる必要等ない。折角付いていた加速力だ、使わない手は――無い。
そのまま移動の為の加速を乗せて、右腕に握った銀色の柄から伸びる黒い刃を男に振り下ろす。
その一撃を、避けなかったのか避けれなかったのか、俺の振るった一撃は男の体を袈裟斬りにする。
――が、その一撃で男の体が両断される事はなく、背骨とその付近の僅かな肉だけで繋がった様な状態になりながらも一歩後ろに下がる。
回避をしようとして間に合わなかった――という所か? 兎も角、相手に再生能力がある以上、相手に時間を与える訳にはいかない。
そう思って男に更なる一撃を加えようと踏み込み《剣皇》を振り上げた所で、背骨で辛うじて上半身と下半身を繋げているだけの男から、放たれた予想外の左の鉤爪での一撃で脇腹を幾らか抉られた。
脇腹に激痛が奔るが、その程度では止まらない――痛みは残るが、傷口は《剣皇》の能力の代わりに持つ特性たる超速度の再生で塞がる故に、止まる必要は何処にも無い。
この戦いに決着が付けば次は他の応援にも行く必要がある――厳しい状態にある戦場は、ここだけではないのだ。
故にこの一撃で幕を引く――と、振り下ろした《剣皇》の黒い刃は、狙い通り男の脳天に叩き込まれてそのまま男の体を両断する。
一連の動作で、男の体は二つに割れた上半身とそれらを支えていた下半身の三つに分かれる。
――普通ならこれで終る筈だが、分割されたパーツが僅かに蠢くのを視界に捉えると同時に残った三つのパーツをさらに分割する様に刃を振るう。
先程の肉塊の蠢きと、最初の一撃で腕を再生した手際、そこから考えれば、敵が相当な再生能力の持ち主だという事が分かる。
故に、兎に角細切れにしなくてはならない。少なくとも、俺達は本来の体積の二割程の肉塊になった状態からでも時間を掛ければ再生出来るのだ。
先程は三分割にしたパーツの内下半身に当たるパーツが蠢いた――そこから察するに敵の再生は残っている一番大きな破片から始まる筈だ。
細切れになった破片がエーテルに還らない以上、再生の可能性は大きく残っている。加えてエーテルを奪う結界が残っているのなら、放置すればすぐさまとは言わずとも近い内に再生するのは間違いない。
故に男の肉を細かく細かく斬り刻んでいく――何かしら広範囲に影響を及ぼす能力があれば手早く済むのだろうが、生憎《剣皇》にはそんな能力は無い。
――敵の肉片が再生しようとする力を失いエーテルに還るか、全ての肉片が斬る事出来なくなるほど細かくなるまで――唯、斬り続ける。
幾らエーテルを俺や周囲から吸い上げ様がその量は高が知れているし、再生を始めようとしている肉片を刻む事でそのエーテルも失われていく。
故に、いつかこの戦いには決着が付く筈なのだが……
(ここまで細切れにしてもまだ再生出来るのか……確かにいつかは決着が付くだろうが、コレは相当な量のエーテルを持って行かれるぞ、ハヤト?)
みたいだな、だけど――俺等には他に手が無い以上、コレを続けるしか勝ち手段が無いだろ?
《剣皇》とそんな風に念話をかわしながらも刃を振るい、再生を始める肉塊を見つけては両断する。
もう何度再生を始めようとする小さな肉片に刃を振り下ろしたか分からない。その数は既に千を凌駕していると言われても納得できる。正直に、この状況から脱せる手段があるのなら是非知りたい所だ。
……ってかそもそも、これだけバラバラなのになんで能力が使えるんだ、コイツ? 聖具も無いのに能力が使えるなんざ反則だろ?
(言わなかったか? 上位の魔獣はそれぞれ特殊能力があると? 大方それだろうさ)
エーテル奪う能力と再生する能力が両方あるとか、反則だろ、相性最悪じゃねーか。まぁ、それでも時間さえかければなんとかなるっぽいが……
(否、待て――確かにおかしい。あぁそうだ確かにお前の言うとおりだ)
はぁ? 何がだよ《剣皇》? 俺にはお前が何を言いたいのかさっぱりなんだが? コレは魔獣の能力とやらなんだろ?
(あぁそうだ、どちらかは魔獣の能力とみて間違いない。だがもう一方は聖具の能力だ)
聖具の能力って――じゃあその聖具は何処にあるんだよ? そもそも野郎の左腕の爪なら俺の脇腹を抉った時につけていたのだから、本体がミンチな今、バラバラになってて当たり前だろだろ?
(だから、残った右腕だ。右腕の爪がどこかにある筈だ。それだけは間違いない――でなければ説明がつかん。魔獣の能力は魔獣となった者の願望で決まる、絶対に一種しか存在しないのだ)
だから、他者から吸い上げて自分のエーテルにして再生するって能力じゃないのかよ?
(それは無い。そういう能力なら破損が無い時にはエーテルを周囲から略奪したりはしない。逆に破損に関わらずエーテルを奪い取る能力なら、そのエーテルを再生に使うなどと言う機能は付加されない)
どうしてそう言い切れる? と、言うかそれがこの状況を脱するのに関係あるのかよ?
(無論だ、こんな状況で意味の無い事を喋る訳があるか。言い切れる理由は簡単だ――能力は願望から生まれる。そして願望とは願いだ、願いと言うのは基本的に単純なモノなんだよ)
分かった――けど、結局それとこの状況を脱するのと何の関係があるんだよ、だから?
(言っただろうエーテルを吸い上げる力と、自己再生する力は別のモノだと? 確かにこんな状態になってまで維持される魔獣としての能力は止めようが無い、だが――)
聖具の能力なら止められるって? 肝心の聖具が見当たらない以上どうしようもないんじゃないか?
(だから探すんだろ、その聖具を? 能力が発動している以上、存在している事だけは間違いないんだ――見つけられればこの状況を脱せられる。探す価値は、あるだろう?)
存在はしてるって――この辺りにないのなら探しようが無いぞ、そんなの? つーかそもそもそれはお前さんの推測であって確定的な事実じゃないんだろう?
(概ね間違っては居ないとは思うが――まぁ、そうだな)
だったら無理して探す必要は無いだろ、今のままでも俺達の勝ちはまず揺るがないんだし?
(この状況をなんとかしたいと言ったのはお前だろうに……まぁ良い、このまま敵のエーテルを削りきるぞ、ハヤト。多少時間がかかるのは我慢しろよ)
念話を交わす間にも《剣皇》の黒い刃を振るい、肉塊を切り刻んでいく。
相手のエーテル総量は確実に減って来ている。周囲から略奪する速度よりも、再生に要しているエーテルの方が多いのだからそれも当然なのだが。
そうしてまた何度も何度も何度も何度も、千を超えるか超えないかぐらいは刃を振るった所で、遂にその場で蟠っていた敵の肉片は一斉に金色に輝くエーテルとなって、虹の世界に融けて行った。
エーテルを奪う結界の力もそれと同時に消えた様で――そこでようやく、俺は張り詰め続けていた気を緩める事が出来た。
「ようやく終った……つーか駄目だ、他の応援に行く気力が沸いて来ない」
(随分とまた、大量にエーテルを持っていかれたな、ハヤト。半分は持っていかれてるぞ?)
それに関しては仕方ないだろ、相性最悪だったんだし――そんな相手にこうして勝てただけでも褒めてくれよ《剣皇》?
(隠された敵の聖具を見つけ、それを破壊しての勝利だったのなら褒めてやったかもしれんが、力技での勝利では褒めてやれんよ。お前には俺の契約者としてしっかりとやって貰わねばならないからな?)
しっかりとやってもらう、ねぇ? コレでもまだ駄目なのかよ……
(無論だ――が、今は兎も角少しで良いから休め。肉体的には兎も角精神的に疲れただろう?)
いや、肉体的にも十分に疲れてるんだが? まぁ、周りの気配を探っても、どこも大体終ってるみたいだし、今はゆっくり休むとしよう。
そんな事を考えながら、俺は全身から力を抜いて、虹色の空間を漂う事にした。

TheOverSSS――17/28
UltimateSeven――5/7
PerfectSix――4/6
KeyToSeven――3/7
――to be continued.

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