‡小説‡
未来編(終結)(2)
ハァ…!
ハァ…ハァ…!
獄寺は、森の中をガムシャラに走っていた。
途中、小枝や枯れ木に手の甲や肌を傷つけられようと、血が滲んで痛みが走ろうと、そんな事は構っていられなかった。
走りながらも、獄寺の胸の中は色んな思いに締め付けられる。
−焦燥感−
−絶望感−
−後悔−
−懺悔−
そして、ずっと抱く事を許されないと思っていた
−期待感−
獄寺は、森の中を走り続けた。
『そこは、周りを緑に囲まれ、まるでそこにある宝物でも守るかのように、植物が生い茂っていた。
しかし、自分がそこへ足を踏み入れると木の茂みの中から、一筋の光がある場所へと降り注いだ。
まるで「此処に宝物があるよ」と…
自分が行くべき所はそこだ!
と指し示しているかのように−』
獄寺は、走り続けた。
吐く息が熱い。
肺が灼けるように熱い。
足がもつれ、何度も転びそうになりながらも、降り注ぐ光の柱を浴びながら、獄寺は緑の中を走りつづけた。
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